コロナ後住宅は売り時となるか買い時となるか
取引数最大8割減となった市場の今と未来予測

新型コロナの影響で国内・海外経済は大きく停滞し、各種経済指標も大幅に悪化しています。不動産市場においては一時的に住宅取引数が50~80%減と大幅にストップするなど暗雲が立ち込めましたが、結論を言うと住宅市場は、すっかりコロナ前に戻っているどころか、たまっていた需要が噴き出し活況を呈しています。
リーマンショック時との違い
もちろんインバウンド需要を見込んだホテルや、人が多く集まる会議室、レストランが入る建物などは大打撃で回復の兆しもまったく見えない状況です。一方で住宅市場は、新築マンションについては首都圏の取引数85%減、中古市場についてはおよそ半減といった状況に陥ったものの、価格はまったく下落していないのです。
その理由は明白で、2008年のリーマンショック時のような金融システムが破綻したわけではなく、積極的な財政出動や無制限金融緩和、金融機関による無利子融資などによって、手元資金が潤沢であるためです。また、当時と違ってマンションデベロッパーの大手寡占化が進んだことで、比較的に資金体力があるといったことも一因です。リーマンショック時には抱えきれない在庫の投げ売りが起き、数千万円の値引きは当たり前といった底なしの市場となり、ほどなく多くのデベロッパーが破綻していきました。
当時と決定的に異なるのは、今回のコロナによる自粛期間中は、売主・買主ともにひたすら様子見といった状況にあり、緊急事態宣言解除後はすっかり元に戻ったどころか、まだデータには表れていないものの、新築・中古ともその動きは非常に活発で成約も順調に進んでいるようです。
東京都内を中心に新築住宅を供給する会社や埼玉県を中心に新築住宅を供給する企業は、単月で過去最高を更新しそうだといいます。中古住宅など不動産仲介の市場も、好調のところが多いようです。