思考力が高まる!「難解な専門書」を読むコツ 「似て非なる概念」を整理しながら読む

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思考力を高める近道として、専門性が高い本を勧める理由とは?(写真:d-daystudio/PIXTA)  
法律家の木山泰嗣氏は著書『「記憶力」と「思考力」を高める読書の技術』で、「専門書を読むことで思考力が鍛えられる」として、恐れることなく専門書に挑戦することを勧めている。難解な専門書を読むにはコツがあるようだ。

頻出する「法則」は頭に入れておく

ビジネス書などを読んでいると、よく出てくる「法則」があります。例えば、心理学の概念、医学の概念、マーケティングの概念など、分野ごとに存在するさまざまな法則です。

そこには、ある分野を学ぶうえで知っておくべき法則があって、その分野に関連したビジネス書には、どの著者が書いてもよく出てくるのです。

例を1つ挙げるとすれば、「ジョハリの窓」です。これは、自分からみた「既知」と「未知」と、他人からみた「既知」と「未知」をかけ合わせてできる4つの窓(表の欄)に、①「公開の窓」(自分からみて既知+他人からみて既知)、②「秘密の窓」(自分からみて既知+他人からみて未知)、③「盲点の窓」(自分からみて未知+他人からみて既知)、④「未知の窓」(自分からみて未知+他人からみて未知)があるという話で、心理学の本などによく登場します。

また、「プラシーボ効果(偽薬効果)」という法則もあります。これは、人は医師から処方された薬を飲むと、本当は効果がないものだとしても、その処方に安心し信頼することで、治癒の効果が生じるという法則です。これは、医師の本などを読んでいるとよく登場します。

ほかには、「ザイオンス効果(単純接触効果)」も挙げられます。これは、物や人に触れる回数が多いほど、人は好印象をもつようになり、購入意欲が促進されるという法則です。マーケティングの本によく出てきます。

どの分野にも、こうした法則があります。ビジネス書などをたくさん読んでいると、こうした法則に、さまざまな場面で遭遇するようになると思います。

その都度、「あれ、何だったっけ?」となるのもよいですが、読書の習慣ができて、ほかの本でも繰り返し出ることを知ったときには、スマホのノート機能にメモしておくのもよいと思います。そうしておくと、次に出てきたときには、その部分を飛ばして読めるようになると思います。

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