デジタル化で幹部のキャリアパスに大異変! 日本企業の命運は「変革ミドルの育成」が握る

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コロナ禍でデジタル化が加速したいま、人事・人材マネジメントの変革はどうあるべきでしょうか(写真:ipopba/iStock)
日本企業の多くは、抜本的な人材マネジメントモデル変革を先送りしてきた。その結果、IT やデジタルに限らず優秀人材の獲得・育成については、グローバルIT プラットフォーマーや魅力的な仕事を提供する国内スタートアップ企業に対しても大きく劣後する結果となってしまった。
コロナ禍でデジタル化が加速したいま、日本企業における人事・人材マネジメントの変革はどうあるべきか。このたび『デジタル時代の人材マネジメント』を上梓した内藤琢磨氏が解説する。

デジタル人材の獲得・処遇が経営を左右する

新型コロナウイルス感染対策をきっかけに多くの企業では可能な限り、社員をテレワークとする勤務体系に移行した。そしてZOOMやSkype、Teamsといったアプリ・ツールを活用した働き方が一気に加速し、デジタルを活用し対面接触を極小化する新たなビジネスモデルも次々と生まれてきました。

『デジタル時代の人材マネジメント』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

1年前、いや半年前に私たちはこのような変化を予測できたでしょうか。テクノロジーの進展を織り込んだとしても、私たちを取り巻く経済や社会環境のうち、次の5年、10年でどのような変化が訪れるかを明確に予想することは難しいと言えるでしょう。

確実に言えることは、私たちは今後も「変化が当たり前の時代」に生きているということではないでしょうか。予測できない環境変化に直面した際に深刻なダメージを受け、立ち直りに時間がかかる企業がある一方で、影響を最小限に留め、素早く対応できる企業もあります。

変化に素早く対応している企業に限らず、デジタル人材の獲得に向けて高額報酬を提示したり、社内人材のデジタルネイティブ化に向けてIoT やRPA、AIスキルを習得させるための教育体系を再整備したりする動きが加速しています。

どうして企業はデジタル人材の獲得に躍起になっているのでしょうか。今や経営戦略や事業戦略を実現するうえで、デジタルで経営や事業をリードし、支えられる人材の確保はデジタルビジネス推進上のカギであるだけではなく、その成否が企業の存亡に関わると多くの経営者は感じているからでしょう。人材戦略が事業戦略のみならず経営戦略そのものに位置付けられる時代となったのです。

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