「レジ袋有料化」割れたコンビニと外食の対応 コンビニはそろって有料、外食は無料を継続

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7月1日からコンビニではレジ袋が有料化になる。レジ袋に限らず、環境問題への対応には今後も一層厳しい視線が注がれそうだ(記者撮影)

プラスチックごみの削減を目的として、7月1日から小売店でのプラスチック製買い物袋の有料化が義務づけられる。

セブン-イレブンでは5月から一部店舗でレジ袋有料化の実験を行ってきたが、6割の顧客がレジ袋の購入を辞退しているという。マイバッグを持参した顧客には精算済みの商品を専用かごに入れて渡し、レジのそばに設置した袋詰め用の台でかごから移し替えてもらう実験も行っている。

これらの実験の結果、「顧客の希望を確認することが最も重要という結論に至った」とセブン&アイ・ホールディングス(HD)広報は話す。マイバッグに触れられたくない人や会計に時間をかけたくない人など、顧客はさまざま。その意向を尋ねて接客するのが大切だというわけだ。

有料化はプラごみ削減の第一歩

ローソンでも5月から一部店舗でレジ袋を有料化する実験を開始している。「実験店舗ではレジ袋を購入しない顧客が増加し、7割を占めた」(広報)。

プラスチックは成形しやすく、軽くて丈夫で密閉性も高く、あらゆる分野で使われる便利な素材だ。その一方、生態系を脅かす海洋プラスチックごみ問題や、プラスチックごみの焼却時に出る二酸化炭素の削減が世界的な課題となってきた。

化学メーカーなどで構成されるプラスチック循環利用協会によると、2017年の日本国内の廃プラスチック総排出量は903万トン。一方、コンビニやスーパーマーケットなどでレジ袋として利用される持ち手付きのポリエチレン製の袋は、2019年に国内で19.7万トンの需要があったと推定されている(日本経済綜合研究センター調べ)。

これらを踏まえると、年間の廃プラスチック量と比較してもレジ袋使用量は2%程度で、レジ袋削減の効果は限られそうだ。にもかかわらず、なぜ今回、レジ袋が有料化されるのか。

経済産業省資源循環経済課の末藤尚希課長補佐は、今回の有料化の義務化を「プラスチック削減の第一歩」と位置づける。「レジ袋は生活に身近なためライフスタイル転換のきっかけになる。加えて、マイバッグがすでに使われているので人々に受け入れられやすい」(末藤氏)。

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