日経平均が2万3386円まで上昇する3つの根拠 6月の「アフターコロナ相場」はどうなるのか

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東京・原宿の竹下通りにも一気に人が戻ってきた。不安は消えないが、そういう時こそ株価は上がってしまうのかもしれない(写真:つのだよしお/アフロ)

今回は、まずは日経平均株価の日足チャートを見るところから入ってみよう。2月21日(金)と同25日(月)の間に大きなマドが開いていることがおわかりいただけると思う。マドとは株用語の一つで、株価チャートの「ローソク足」と「ローソク足」の間に生じる空間のことである。

日経平均は重要な200日移動平均線も突破

2月25日の日経平均は781円安だったが、日本ではこのマドのあたりから実質的に新型コロナショック相場が始まったことを示して居る。終値ベースで言うと、2月21日の2万3386円から3月19日の1万6552円まで一気に下げたのがコロナショックであり、その下げ幅は約6834円になる。

相場の世界では、良く「半値戻しは全値戻し」と言われる。半値戻しを達成して戻し幅が3分の2を超えると、全値戻しの可能性はさらに高まる。すでに半値戻しは先般達成して話題になったが、下げ幅6834円の3分の2は約4551円で、それを底値1万6552円に足した「3分の2戻し水準」の2万1103円も、5月26日に超えた。

さらに、日経平均は同28日、コロナショックの3日目に割れてしまった「200日移動平均」をも、61日ぶりに回復した。移動平均線の向きは相場の方向性を表すと言われるが、まさにこの日から上向きに転じた。

しかも同29日には、25日移動平均線が75日移動平均線を上回るゴールデンクロスまで出現した(75日線はまだ下向きだが)。このように、5月の最終週は景気の急悪化、米中対立の深刻化など不透明な環境の中で、強気の筆者が考えるよりも強い相場だった。

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