コロナ「新築・中古マンション価格」への影響度
リーマン・東日本大震災の時と何が違うのか

新型コロナウイルスによる自粛の影響を受けさまざまな業界が大変な状況になっていますが、今後、不動産市場にはどのような影響が出てくると考えられるでしょうか。さくら事務所会長の長嶋氏に伺いました。
分野別にみる、今後の不動産動向
新型コロナウイルスはあっという間に世界中を席捲。人の流れも経済も大きく滞り、2万4000円水準だった日経平均株価は大幅下落。各種経済指標は急速に悪化しています。政府による緊急事態宣言の影響でとりわけ東京・大阪など主要都市は人通りも少なく、不動産取引にも大きな影響を及ぼしそうです。分野別にその状況を検証するとともに、今後の見通しを占ってみましょう。
新型コロナウイルスが日本に上陸して以降、新築マンションモデルルームへの来場者は大幅に減少。来場者数は半減どころか80~90%減といったところが続出しました。
当初は来場者同士の感染を避けるために時間を区切って案内するといった対応をとるところが多かったのですが、現在では多くのモデルルームが閉鎖に追い込まれています。
東京オリンピック・パラリンピックの選手村跡地の新築マンション「晴海フラッグ」も販売を延期、電話による問い合わせすら休止しています。こうなると当然発売戸数は減り、成約数も大きく滞ることになります。
2008年のリーマン・ショック時にはやはり取引急減。中小マンションデベロッパーによる20~30%ディスカウントの投げ売りが出て、それでも持ちこたえることができず多くのデベロッパーが破綻しました。さらに2011年には東日本大震災が発生、他先進国が株式市場や不動産市場を回復させていく中で再び足踏みを余儀なくされることとなります。