ジム・ロジャーズ「アマゾン株は必ず暴落する」 本格的な弱気相場がやって来たらどうなるか

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「新型コロナ危機」で、ジム・ロジャーズ氏は、何に投資をすべきだと考えているのか。重要なのは長期的な視点だ(写真:Luxpho (Takao Hara))

ファイナンシャルプランナーの花輪陽子です。前2回に引き続き『ジム・ロジャーズ 大予測:激動する世界の見方(東洋経済新報社) 』から、経済危機の局面で天才投資家が「何に投資をしているか、何に投資をすべきか」や、国家の覇権などについてお伝えします。ロジャーズ氏は長期ではベア(弱気)相場が続く可能性が高いとみているものの、当面はラリー(上昇基調)の可能性もあり、資産運用を続けるべきだと言います。

ロジャーズ氏の「投資の原則」とは? 

『ジム・ロジャーズ 大予測: 激変する世界の見方 』は5月8日に発売(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)。Rakutenブックスはこちら

資産運用と言えば、日本では楽天証券の3月の新規口座開設数が約16万4000口座になり、2カ月連続で過去最多を更新。4月も順調のようで、この局面はチャンスとみている個人投資家が多いようですね。

私が住んでいるシンガポールでも、オンライン証券での口座開設が相次いでおり、自粛要請から少人数で回しているために、開設までに時間がかかると聞きます。

ではロジャーズ氏はどんな「投資の原則」を持っているのでしょうか。例えば多くの個人投資家がアメリカのETF(上場投資信託)などに投資をしたいと言いますが、ロジャーズ氏の口からは、アメリカ株についてはポジティブな意見は聞こえて来ませんでした。

同氏の投資手法は「安く買って、高く売る」という至ってシンプルな手法です。アメリカ株は戻りも早く、一方で新興国株は停滞をしたままです。しかし、投資の結果は短期では必ずしも測ることはできません。時間はかかっても、割安な銘柄を見つけて辛抱強く続けることが大切だと言います。

「簡単に言えば、『一番やられたもの』を買うべきだ。現時点では、航空会社が一番だろう。またレストランやホテル、観光関連、海運も含めた運航関連会社も、壊滅的なダメージを被っている。相場が上昇期に入った際には、そういった産業に一番大きなラリーが訪れる。他には農業銘柄も買えるだろう」。航空会社と言えば、やはり著名投資家であるウォーレン・バフェット氏が最近航空株をすべて売却したことを明かしましたが、ロジャーズ氏のスタンスは異なるようです。

次ページ割高なものは避け、短期よりも長期投資を重視する
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