日経平均はGW後、再び2万円を回復できるのか 投資家の「3つの疑心暗鬼」はいつ消えるのか

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緊急事態宣言は5月末まで延期へ。日経平均は2万円を割れたが、再び上昇すると見ていいのだろうか(写真:共同通信社)

4月30日木曜日の日経平均株価は久々の2万円回復。一時は600円近くも上昇し、引けは422円高の着地だった。

これで、引け値ベース3月19日の1番底である1万6552円から20%上の「強気相場入り地点」である1万9862円を突破。さらに目先のモミ合いゾーンの高値1万9897円、「新型コロナウイルスによる急落」が始まった2月25日の前日の引け値2万3386円から3月19日までの下げの半値戻し(相場格言では「半値戻しは全値戻し」という)である1万9969円を一気に抜け、底値脱出の形が整った。

「日経平均一時2万円突破」への「違和感」は正しいか?

コロナウイルス拡大の勢いが衰えない国内の現状に対するこの株高を解説する手段として、この日筆者は「政策に逆らうな」と言う相場格言を某テレビで紹介した。しかし、大型連休前の特殊事情があったとは言え、翌5月1日の金曜日には一転して574円安で、やっと抜けた重要ポイントを僅か1日で簡単に下回り、別の相場格言で「休むも相場」とトーンダウンせざるをえなかった。

IPS細胞の研究でノーベル生理学賞・医学賞を受賞した京都大学山中伸弥教授がNHKの番組で言っていた格言は「明けない夜はない」だった。もちろんコロナウイルスに対する国民の心構えのことだが、相場にとっても、今最もぴったりな格言かもしない。

確かに厳しいコロナ渦の中で1万6000円台から2万円になった日経平均に対して「強い違和感」を持った投資家は多かったと思う。「違和感の正体」として筆者は、①「何でもありの金融政策」だが、少なくとも金融不況はなくなったのか?②先進国でのコロナウイルス感染は6月末には落ち着く?という「株価の先見性」を信じていいのか?③まだ最悪の事態を織り込んでいないのではないか?という「3つの疑心暗鬼」を上げた。

次ページ「違和感の正体」は払拭されたと言えるか?
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