キックボードをシェア!?世界の今どき移動手段

日本への普及のハードルは、法律と道路事情

まず、法律。日本において、電動キックボードは「原動機付自転車」の位置付けとなる。運転する場合、ヘルメットと免許携帯が必須。ナンバー登録が義務付けられており、ナンバープレートの設置も必要だ。バックミラーや方向指示器などの装着も義務で、これらが欠けると法律違反となる。一方、筆者が米国で利用した際、年齢制限はあるものの免許は必要なかった。

業界関係者によると、国によってこうしたルールは異なる。18歳以下はヘルメットの着用が必須であったり、歩道の走行が認められていたりと、各国が試行錯誤の末にルールを整備していっているという。シェアサービスとして普及してからまだ2年ほどしか経過していないため、今後も各国が検討を進めていくと考えられる。

続いて道路事情。長距離移動というより先述のとおり「ラストワンマイル」のための交通手段であるため、場合によっては細く、入り組んだ道を走るケースもあるだろう。

広々としたサンノゼの通り。米国は日本と比較して道が広い(撮影:田中森士)

特にアメリカなどと比較して日本はこうした道が多い。乗車については力を抜き気味に乗るなどのコツも必要で、筆者も最初はバランスを取るのに苦労した。電動キックボードは、アメリカのように広々とした道であれば非常に使いやすいが、日本では道が入り組んだ場所など、エリアによっては道路事情とマッチしない可能性もある。

同時に、先述の通り日本では電動キックボードが原付バイクの扱いであるため、当然歩道の走行は禁じられている。

車道を走る必要があるが、乗った感想としては自転車と原付バイクの中間のスピード(実際に走行する際は時速15キロ程度であることが多い)であり、現時点では幹線道路など場所によっては交通に混乱をきたす恐れもあると感じる。これらの理由から、日本で導入する場合は利用可能エリアを絞ったほうがいいのかもしれない。

日本で進む実証実験

仮に電動キックボードが自転車と同じ扱いになれば、普及は一気に進む可能性がある。

九州大学伊都キャンパスで実施されている実証実験の様子。私有地だが、バス、自動車、バイク、自転車、歩行者が通行。また、信号機、横断歩道が設けられているなど公道に近い環境となっている(写真:モビー社提供)

福岡市は、国に規制緩和を提案。九州大学伊都キャンパス内で実証実験を開始すると発表した(2019年11月~2020年4月で実施)。

シェアサービスとしての電動キックボードの公道走行を目指すもので、実証実験の実施事業者は電動キックボードシェアリングサービス「mobby(モビー)」を提供する株式会社mobby ride(以下、モビー社)。福岡市のホームページによると、走行に関するデータを取得し、「安全性や利用ニーズについて検証する」という。

実証実験に参加したモビー社(画像:同社Webサイトを画面キャプチャ)
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