勤務時間13%減でも成長した企業10年の変化

日本マイクロソフトが見直した働き方とは

――そこから、どう働き方を変えたのでしょうか。

仕事のやり方というのは、2種類あるんです。右側が従来多くの日本企業が行ってきた「プロセス型・手続き型」、左側が私たちが現在行っている「コラボレーション型・ネットワーク型」の仕事のやり方です。

右が「プロセス型・手続き型」、左が「コラボレーション型・ネットワーク型」(画像提供:日本マイクロソフト)

右側の「プロセス型・手続き型」は、あらかじめ決められた役割・手続き・段取り・プロセスがあり、フォーマット化・マニュアル化された仕事内容に沿って仕事をするというものです。みんな真面目に、時には徹夜して、そうして得られた成功体験が、特に昭和時代に企業で勤めていた経験がある日本人には実体験としてありますから、どうしてもこちらのほうが良い仕事のようなイメージがあるんですね。

一方で、チームやプロジェクトに成果を求め、いつでもどこでも誰とでも、意見交換や情報共有、意思決定ができるのが、左側の「コラボレーション型・ネットワーク型」です。一つのプロジェクトに対して、事業部内に閉じたチームを組むのではなく、事業部の枠を超えて必要な人材をつなぐのです。そうすることで、より付加価値の高い仕事をすることができるようになります。

「仕事を早く進めたい」という強い思いが始まり

日本マイクロソフトの勤務時間が短くなったのは、何かを一律に減らしたわけではなく、「プロセス型・手続き型」を減らし、「コラボレーション型・ネットワーク型」を増やした結果です。

日本マイクロソフトのエグゼクティブアドバイザーを務める小柳津篤さん。本記事の取材もMicrosoft Teamsを使って行われた(写真:SUUMOジャーナル編集部)

“働き方改革の事例”としてメディアなどによく取り上げていただくことがあるのですが、「仕事を早く進めたい」という強い思いからスタートし、業務の整理整頓が伴った結果、いわゆる“働き方改革”で目指していることがほぼ解決できた、という感じなんです。

「コラボレーション型・ネットワーク型」は、いわば「三人寄れば文殊の知恵」な仕事の仕方です。

これを実現するには、会社には行くべきだ、会議を行わないと情報が共有できない、などとは言っていられません。今あるテクノロジーと社会的なルールの中で、なるべく効率的で効果的に「コラボレーション型・ネットワーク型」を実現しようと思ったら、「いつでもどこでも」になったのです。テレワークを導入したのも、こうした経緯の一環です。

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