コロナで「ひよこバカ売れ」アメリカの異常事態 ひよこが育つのを見ていると心が明るくなる

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新型コロナウイルスの影響でロックダウン状態のアメリカ。ひよこのパニック買いが起きている理由とは(写真:RyanJLane/iStock)
ロックダウンでどこにも行けず気持ちはすさむが、失業して時間だけはある状況の中……。

アメリカでひよこの売り上げが急に伸びている。これも新型コロナウイルスの感染が拡大する中で起きたパニック買いの一例らしい。

イースター(復活祭)と言えば、卵と並んでひよこがつきもの。だから毎年、イースター前の時期になるとふ卵場は大忙しで大量のひよこを出荷する。そんな時期であるにもかかわらず、今年は入手困難になりつつあると、ニューヨーク・タイムズは伝えている。

「トイレットペーパーに買い物客が殺到したのと同じように、ひよこのパニック買いが起きている」と、アイオワ州のふ卵場の関係者はニューヨーク・タイムズに語った。このふ卵場では、今後4週間の出荷分がすでに売約済みだという。

記事によれば、ひよこは仕入るそばから飛ぶように売れている。農業用品やペット用品を扱うトラクター・サプライ社の店舗では、新たな入荷がある朝の時間帯、店の外側にひよこを求める長い行列ができるという。

ニューヨークにある農業用品店のハケット・ファーム・サプライのマネジャー、ステファニー・スパンは最近、ひよこの需要が急に伸びていることに気がついた。去年の3月と比べ、ひよこの売れ行きは2倍に達している。客はたとえ欲しい品種でなくても買っていくという。

15分おきに温度をチェック

テキサス州オースティンに住む音楽家のエイミー・アネルも、最近になってひよこを飼い始めた1人。仕事が相次いでキャンセルとなり、暇になったことからひよこを育ててみようと思い立ったという。

「みんながいっせいに買い出す前に何羽か手に入れておこうと思った」と彼女はニューヨーク・タイムズに述べている。「ひよこが育つのを見ていると心が明るくなる」。

当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら

ワシントン州に住むドミニク・グリーンウェルは大の動物好き。勤めていた美容院がコロナのせいで営業停止となり、ひよこを飼い始めた。

「この世界を思いどおりにすることはできないけれど、動物に向ける愛は自分の思うまま」とグリーンウェルはニューヨーク・タイムズに語っている。彼女は15分おきにひよこたちのところに行っては、温度をチェックしたり抱いたりしているそうだ。

記事によれば、ひよこは株価が下落したり、大統領選の年といった、先が見えない時期によく売れる傾向があるという。

(翻訳:村井裕美)

「ニューズウィーク日本版」ウェブ編集部

世界のニュースを独自の切り口で伝える週刊誌『ニューズウィーク日本版』は毎週火曜日発売、そのオフィシャルサイトである「ニューズウィーク日本版サイト」は毎日、国際ニュースとビジネス・カルチャー情報を発信している。CCCメディアハウスが運営。

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