「RAV4」発売から1年、最も売れてるSUVの通信簿 20~30代の若年層にもヒットした理由とは

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5代目となる新型「RAV4」は4月10日に発売された(写真:トヨタ自動車)

2019年4月に国内で発売開始となったトヨタのSUVである「RAV4」。2016年の国内販売終了からおよそ3年ぶりに登場した新型モデルだ。「カムリ」と同じTNGA(Toyota New Global Architecture)の考えから生まれた新世代のミドルクラスSUVの販売はどうであったのか。1年の成績を振り返りたい。

RAV4の2019年1~12月の販売数は、5万3965台であった。これは日本自動車販売協会連合会(自販連)の「乗用車ブランド通称名別順位」で16位になる成績だ。

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この年間ランキングからSUVだけを抜き出してみると、トップはホンダ「ヴェゼル」で5万5886台を売って14位、そしてトヨタ「C-HR」が5万5677台の15位と続く。つまりRAV4は、この2台の人気モデルに次ぐ順位を得ている。SUVとしてみれば、年間3位のポジションだ。

そのほかのSUVでは日産「エクストレイル」が3万6505台で24位、トヨタ「ハリアー」が3万6249台で25位、スバル「フォレスター」が3万2384台の28位、マツダ「CX-5」が3万1538台で29位となる。

SUVで3位は上々の滑り出しのように見えるが、そうではない。この年間ランキングはRAV4が販売されていない1~3月も含まれている。

つまり、4~12月だけ見れば、RAV4が最も売れていたのだ。しかも、2020年1月の販売は5759台、2月は5739台と安定した数字を出している。3月も5000台を販売すれば、年間7万台を突破できる。年間7万台は立派な数字と言えるだろう。

最も重要なのは北米市場での販売成績

発売1年間のRAV4の国内の成績は、まずまずと言える。しかし、RAV4にとっての最重要マーケットは日本ではない。それは北米市場だ。

日本市場におけるRAV4は、1994年に登場した初代こそ大ヒットしたものの、世代を重ねるにつれて存在感が薄くなり、とうとう先代の第4世代モデルは日本で発売されなかった。

日本で販売されなかった4代目「RAV4」(写真:トヨタUS)

しかし、世界市場では非常に好調で、日本で売らなかった第4世代モデルが、2017年に世界販売80万台を達成。そのうち約半分の約41万台が北米で販売された。現地では「最も売れるトヨタ車」がRAV4であり、「最も売れるSUV」という地位を確保していたのだ。

しかも、先代のモデル末期となる2018年はさらに販売を伸ばし、年間42万台に。全米で販売されるすべてのモデルの販売ランキングで4位になっている。この上の3台はフォード「Fシリーズ」のようなピックアップばかり。いわゆる乗用車としては、カムリよりも売れていたのだ。

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