自然災害を意識しない家選びが絶対NGな理由

「浸水リスク」は不動産価格に反映されない

目黒区には現在暗渠になっている蛇崩川(じゃくずれがわ)という河川がありますが、ここには大水で崖が崩れ、そこから大蛇が出てきたという伝説が残されています。大阪市梅田は「埋田」から転じたとされ、「梅」は「埋める」に通ずるようです。

地名は「音」(読み方)で意味が分かる場合もあります。椿はツバケル(崩れる)で崩壊した土地を意味し、「桜」が「裂ける」を意味することもあります。

注意したいのは、近年になって地名が変更されたところです。戦後の高度経済成長期以降に開発された大規模宅地などでは、旧地名から「〇〇野」「〇〇が丘」「〇〇台」「〇〇ニュータウン」といった地名に変更されている場合があります。

東日本大震災に伴う津波に関し「津波は神社の前で止まる」とテレビで話題になったことがあります。福島県相馬市の津(つのみつ)神社には「津波が来たら神社に逃げれば助かる」という言い伝えがあり、近隣の人たちは、小さいころからその伝承を聞いて育ったそうです。実際3・11の東日本大震災の津波の際にはその教えに従い、神社に避難した50人ほどが助かりました。

地域にある法務局に行くと、該当地の「登記事項証明書」を1通600円で、土地所有者でなくても取得できます。そこには「田」「畑」「宅地」といった土地の用途区分が書かれています。現在は宅地に見える土地でも、過去をさかのぼれば田んぼだったかもしれず、そうなると地盤は軟らかい可能性が高くなります。

地元の図書館に赴けば、地域の歴史が刻まれた書籍が置いてあることが多く、それらを参照するのも有用かもしれません。また多くの自治体が地名の由来などについて、ホームページで紹介しています。

地球の温暖化傾向は明白

IPCC (気候変動に関する政府間パネル)第5次報告書によれば、地球の温暖化傾向は明白であり、陸域と海上を合わせた世界の平均気温は、1880年から2012年の期間に0.85度上昇したそうです。

世界気象機関は、80年代以降の世界の気温を10年単位で見ると、つねに気温上昇の傾向が見られ、「この傾向は続くと予想される」と警告しています。

気象庁によれば、温暖化が最悪のシナリオで進行した場合、21世紀末に世界での台風発生総数は30%程度減少するものの、日本の南海上からハワイ付近及びメキシコの西海上にかけて猛烈な熱帯低気圧の出現頻度が増加する可能性が高いと予測しています。文字どおり「想定外」の、さらなる頻度や規模の風水害がくるとみたほうがいいでしょう。

(文/長嶋修)

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