より竜宮城らしく!小田急「江ノ島駅」の本気度 屋根に黄金のイルカ、天井には隠れキャラも

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「竜宮造り」を採用した小田急電鉄・片瀬江ノ島駅の新駅舎(記者撮影)

真っ赤な柱と緑の屋根、黄金に輝く竜やイルカの像……。2月末、湘南の景勝地・江の島を望む海岸近くに「竜宮城」が姿を現した。小田急電鉄江ノ島線の終点、片瀬江ノ島駅の新駅舎だ。

まだ海のシーズンには遠い初春の平日。電車を降り立つ人の数はさほど多くないが、改札口を出た人々はほとんど誰もが振り返ってスマートフォンで写真をパシャリ。小田急沿線の町田から訪れたという若い女性4人組は「つい写真を撮りたくなる駅ですね」と記念撮影や「自撮り」に夢中だ。

「何回か来たことはあったんですが、すごくきらびやかな建物になっていてびっくりです」と語るのは、横浜から来た70代の女性。まさに「浦島太郎」の心境かもしれない。

「竜宮城スタイル」を継承

1929(昭和4)年の開業時から「竜宮城スタイル」の駅舎で知られた片瀬江ノ島駅。新駅舎は2018年2月に着工し、長年親しまれた旧駅舎のイメージを残しつつ、より「竜宮城らしい」駅に生まれ変わった。外観工事はほぼ完了して2月28日に一部の使用が始まったが、内部の工事は現在も続いており、今年5月の完成を目指す。

新駅舎の最大の特徴は、神社仏閣に用いられる建築技法の「竜宮造り」を採用した点だ。竜宮造りとは、下部がしっくい塗りで中央にアーチ型の通路があり、上部は木造の軒と入母屋の屋根を載せた、社寺の楼門の造り方の1つ。小田急電鉄工務部の担当者は「駅舎としては珍しく、恐らく初めてではないか」と話す。

竜宮城スタイルの駅を造るうえでの難しさは、当然ながら「参考になる本物がないこと」(担当者)。そこで、本格的な社寺建築の技法である竜宮造りを採り入れることにしたという。実際に、木造部分は社寺建築を手がける業者が施行した。

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