日本人は、なぜこんなにも「いちご好き」なのか ホテルやデパ地下などが一斉にイチゴ押し

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横浜赤レンガ倉庫で開かれた「ヨコハマストロベリーフェスティバル」には毎年20万人近くが訪れる(撮影:吉濱篤志)

イチゴ祭りやイチゴビュッフェ、イチゴフェア……。いつの間にか日本ではこの時期になると、レストランからホテル、デパ地下にいたるまで多くがイチゴを使ったスイーツなどをフィーチャーするイベントをやるのが当たり前になっている。

2月6日から11日間、横浜赤レンガ倉庫で開かれた「ヨコハマストロベリーフェスティバル」もその1つ。横浜界隈のスイーツ店などが集結し、それぞれ自慢のイチゴデザートを提供する同イベントは2013年から始まり、今では期間中約20万人が集まる赤レンガ屈指の人気イベントになった。取材に訪れた日はウィークデーにもかかわらず、若い女性を中心にそこかしこで写真を撮る姿が見られた。

平日でも開場前から行列ができる

すっかり「初春の風物詩」となったイチゴだが、日本人はなぜこうもイチゴ好きなのだろうか。ストロベリーフェスティバルの人気を皮切りに探っていきたい。

今から6年前に始まった同イベントは当初、週末を含め3~4日間開かれていた。2月は横浜赤レンガ倉庫の閑散期にあたることもあり、旬のイチゴで集客を図ろう、というのが当初の目論見だった。それが3年目の開催となった2015年、テレビのキー局からの取材が相次いで話題となったことに加え、客から「もう少し長く開いて」と要望があり、2016年からは2週末を含む10日程度のイベントになった。

横浜赤レンガ倉庫で開かれた「ヨコハマイチゴフェスティバル」には、日本国外からやってくる人も少なくない

日数が増えたことで来場者もおのずと増えた。2月の屋外開催という、けっして恵まれた環境ではないが、日替わりで品種が変わるブランドイチゴの無料サンプリングの人気もあり、平日でも開場前から行列ができる。「平日で朝11時から、土日祝日で10時から夕方6時まで開場していますが、早い店では昼頃には売り切れになっています」と横浜赤レンガイベント事業部の本多康介氏は言う。

今年の出店者数は25で、イチゴ関連のメニュー総数は約120種類に上った。人気は、「浅草梅園」の「いちご大福」(378円)、「ガトーよこはま」の「yokohamaパフェ」(950円)、初出店の「いちびこ」のIT技術を使って育てたミガキイチゴを使う「いちびこバーガー」(1100円)のほか、「水信」の「いちご4種食べ比べ」(2000円)など。「東京ストロベリーパーク」が出すイチゴパフェは、昨年初出店で1.8万食も売れた。

「いちびこ」のいちびこバーガー(撮影:吉濱篤志)

「イチゴに特化した屋外のイベントはなかなかないこともあって、このイベントを目当てに横浜赤レンガ倉庫に来る人は多いです。若い女性が中心ですが、幅広い年齢層の方がいらっしゃいます。イチゴファッションに身を包んだ女性たちが来るなど、年々、イチゴ人気が大きくなっている印象はあります」と本多氏。

「今後は、スイーツのみならず品種に注目する楽しみ方を提案できれば」と言う本多氏。確かにここ数年のイチゴ人気の背景には、品種のバラエティーの豊かさがあるように思われる。

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