日本とフランス「結婚」の考え方はこんなに違う 万人にとって理想的な生き方など存在しない

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フランス人の「結婚観」は日本人のそれとはかなり異なる(写真:Drazen Zigic/iStock)

日本とフランスを長年行き来していて、両国で大きく異なると感じるのもの1つに「結婚」や「家族の在り方」があります。日本ではいまだに「異性と結婚をして、子どもを産み家庭を持つ」ことが、男女とも“理想的”な生き方とされていますが、フランスでは結婚することだけが幸せな生き方ではないという考え方が普通になっていますし、家族の在り方も多様化しています。

初めて日本に来たころ、結婚相談所があったり、女性の多くが婚活に熱心だったり、結婚が「目的化」していることにとても驚きました。フランスも1960年代まではそうでしたが、1970年代から意識が変わり始め、事実婚や結婚せずに同棲する人が増え始めたことで、1999年に「PACS(民事連帯契約)」が導入されるなど、実態にあわせて法律も変わりました。社会が変わると法律も変わるのは、フランスの面白いところですね。

異性と離婚して、同姓と結婚する人も

一方、フランスでは2013年に同性婚が認められたことから(PACSはもとから同性同士でも契約を結べました)、最近では同性婚が増えています。私の妹もこの2年間で同性同士の結婚式に3回出席しています。その間、異性同士の結婚式はゼロ(笑)。

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こんなこともありました。ある大学教授の女性はずっと結婚していた男性と離婚した後、女性と結婚。そして新しいパートナーと子どもを授かった。聞けば、1回異性と結婚していた人が、次に同姓と結婚するケースも驚くほど増えているようです。この点、フランスは非常に進んでいます。

私の甥っ子は今13歳ですが、同性婚の結婚式に呼ばれる機会も増えているとか。価値観ってこうやって変わっていくのだと思います。昔だったら「パパが2人いる」というのは奇異の目で見られたかもしれませんが、そういう価値観もどんどん変わってくるはず。日本とは本当に違うと思います。

同性婚は増える傾向にありますが、異性カップルは結婚ではなく、まずは一緒に住むことが多いです。お互い好きだから一緒に住む。そのまま関係がうまくいけば、自然と子どもを産んで……それから結婚するという選択をする人が少なくありません。

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