「誰と生きたいか」考えない人に欠けている視点 「どう生きたいか」なんて重要な問いではない

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「どう生きるか」より実は大切なこととは(写真:Fast&Slow/PIXTA)
世界3大投資家のジム・ロジャーズ氏や、INSEAD教授のチャン・キム氏、脳科学者の中野信子氏などからも支持を得るコミュ力の真髄を”グローバル・エリート”こと、ムーギー・キム氏が書き下ろした『世界トップエリートのコミュ力の基本 ビジネスコミュニケーション能力を劇的に高める33の絶対ルール』。
その著者であるムーギー氏が、Yahoo!アカデミア学長で、『やりたいことなんて、なくていい。』などの著書もある伊藤羊一氏と、ビジネスコミュニケーション能力を高めるポイントについて語る全2回の対談。初回は、ビジネスパーソンが今日から真似できる「チャンスをつかむために重要な3大ポイント」について紹介する。

「ヤバい!」「スゴイ!」という口癖は重要

ムーギー:伊藤さんの最新刊を拝読すると、「やりたいことが何一つなかった」という状態から、チャンスをつかんで、キャリアを築いてこられたことがわかります。そこでまずは、伊藤さんご自身の経験から、「やりたいことがなくてもチャンスをつかむために重要な3大ポイント」を、挙げていただけますか。

伊藤:3つ挙げるとすると、1つは「好奇心」ですね。私もかつては、好奇心なんてなかった人間でした。でも、プラスという文具・オフィス家具の会社に勤めながらソフトバンクアカデミア(孫正義氏の後継者発掘・育成を目的とした企業内学校)に通っていた10年ほど前に、それではマズいと気づいたんです。同期はみんな、好奇心の塊のような優秀な人ばかりで、引け目を感じていたんですよ。

ムーギー:その状態をどうやって脱したんですか?

伊藤:まず、好奇心旺盛な人たちがどんな会話を交わしているか、観察してみたんです。そうしたら、彼らはしきりと「これ、すごくない?」「やばいよね!」といった言葉を口にしていたんですよ。

それで自分も「すごい!」「ヤバい!」と声に出してみることにしました。当時はiPhoneが発売されたころだったので、「iPhoneってすげえな!」とか言っていましたね。そうやって口にしていると、だんだん自分も興奮してきて、いろいろなことに興味が湧いてきたんです。

例えば、私はYahoo! JAPANが1996年の4月1日にオープンした当日にアクセスしているんですけど、「パソコン通信と何が違うんだ?」くらいにしか思っていませんでした。ところが、「すごい!」「ヤバい!」と口にしているうちに、「あれ? インターネットって実はすげえな!」とあらためて気づいたんですよね。

ムーギー:「すごい!」「ヤバい!」という言葉で自家発電して、エネルギーを高めていくことも、1つのチャンスになりますよね。

伊藤:そうなんですよ。それに、そう言っていると、「何が?」と人が寄ってきて、その人たちが「こんなすごい情報もあるよ」と教えてくれたりもする。そうすると、さらに刺激を受けて、好奇心が磨かれていくわけです。

ムーギー:今なら例えば、「AIすごい!」「5Gヤバい!」あるいは、「『世界トップエリートのコミュ力の基本』ってマジすごい!」とか。

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