父の逮捕で「お嬢様」から転落した彼女の苦闘

転校を勧められ周囲からはいじめを受けた

加害者家族の真実とは?(写真:Fast&Slow/PIXTA)
連日メディアで報道されている、殺人、傷害、詐欺、窃盗といった犯罪。その裏には必ず、「加害者家族」が存在する。平和だった毎日が一転、インターネットで名前や住所がさらされたり、マンションや会社から追い出されたりと、まさに地獄へと突き落とされるのだ。『息子が人を殺しました』は、その実態を赤裸々に描いた一冊。ショッキングな事例をいくつかご紹介しよう。

何不自由ない生活だったのに……

「家はローンが残っていたし、車は外車といっても中古でした。私はブランド品も持っていないし、服装にお金をかけてもいません」

「幻冬舎plus」(運営:株式会社 幻冬舎)の提供記事です

高橋純子(40代)の夫は、知人に架空の投資話を持ち掛けて大金を騙し取り、詐欺罪で逮捕された

夫が犯行に及んだ動機として、「生活費に使うため」と供述したことから、家族である純子と娘の贅沢な生活が非難の的となった。

「夫には他に若い愛人が何人かいたんです。それがわかって、もう離婚するしかないと決めました。それなのに、金の切れ目が縁の切れ目なのかって、私たち親子だけが周囲から非難されました」

純子たち家族へのバッシングが激しくなったのは、インターネットの掲示板だった。内容から推測すると、ほとんどが知人の書き込みのようだった。

「確かに、娘の教育にはお金をかけました。それは親のエゴであって、決してあの子が望んだわけではありません。それなのに、娘が一番の悪者のように責められてしまって……。本当に、可哀想なことをしたと思っています」

高橋美月(17歳)は、中高一貫のミッション系女子校に通う「お嬢様」だった。会社を経営する父親と専業主婦の純子の3人家族で、父親が逮捕されるまでは何不自由ない生活をしていた

年が明けてまもなく、美月は短期留学をしていたカナダから帰国した。家に帰ると、まるで引っ越しでもするように段ボールが積まれ、家の中が閑散としていた。

大事な話があるから、まっすぐ帰ってくるようにと言っていた純子は、数週間見ないうちに随分とやつれていた。何か起きているに違いない。

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