「産後うつ」と「マタニティブルー」の明確な差

「産後うつ」は産後2~3週目に始まる心の不調

確かに産後は、急激なホルモンバランスの変化に伴い、気分が落ち込んだり悲しくなったりすることがあります。

これは「マタニティーブルー」と呼ばれるもので、多くのママに現れるものです。一般的には産後2~3日後に現れ、2週間を過ぎる頃には自然に改善していきますので、心配することはありません。

一方「産後うつ」は、産後2~3週目頃から徐々に症状が目立ち始め、心身に深刻な影響をもたらします。また、中には産後1年以上経って発症するケースもありますので、産後しばらくの間は注意が必要です。

次のような状態に多く当てはまる方は「産後うつ」の可能性がありますので、産婦人科や心療内科などで相談することをおすすめします。

●笑うことや、物事を面白いと感じることが少なくなった
●楽しみなことがない
●育児や家事がうまくいかないのは自分が無力だからだと思う
●漠然とした不安や心配に襲われる
●理由もないのに恐怖を感じる
●やるべきことをこなしきれないと感じる
●眠りにくい
●悲しく、みじめな気持ちになる
●不幸だと感じ、涙が止まらなくなる
●自分自身を傷つけたいという考えが浮かんだ

「産後うつ」の原因と治療

産後うつの原因ははっきりわかっていません。しかし、妊娠前から心の不調があった人は、産後うつを発症しやすいとの報告があります。

また、育児や仕事の悩みを相談できる人がおらず孤軍奮闘しているママや、赤ちゃんに先天的な病気がわかったときなども、発症のリスクが高いと考えられています。

治療の方法としては、基本的には抗うつ薬による薬物療法と、医師や心理士とのカウンセリングが行われます。母乳育児中でも安心して服用できる抗うつ薬もありますので、薬物療法を開始しても母乳育児を続けることはできます。

産後うつが重症化すると無力感や絶望感に襲われ、育児や家事がまったく手につかなくなったり、赤ちゃんに愛着が持てなくなることも。ママと赤ちゃんの強い絆を形作る乳児期に産後うつがひどくなると、将来的に信頼関係が築けず、子どもが情緒不安定になりやすいなど、さまざまな影響が出る可能性も。

思い当たることがあればひとりで抱え込まず、病院を受診したり、パートナーと話し合う時間を作るなど、適切な対処をしましょう。

<参考>(※1)『妊産婦メンタルヘルスケアマニュアル』日本産婦人科医会

(文:成田 亜希子)

CHANTOの関連記事
“よく食べよく眠る”ことも……大人と異なる「子どものうつ病」要注意サイン
妊娠中に感じる耳の違和感に要注意「耳管開放症」の症状と治療
赤ちゃんの絶壁は自然に治る? 枕やヘルメットで防止できるのか
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナショックの大波紋
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 最新の週刊東洋経済
  • 令和を生きる若者のための問題解決法講座
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
“臭いものに蓋”で終わるのか<br>JDI「不正会計」の晴れぬ闇

ジャパンディスプレイが不正会計について、第三者委員会調査報告書を公表しました。しかしその内容は有識者8人のうち7人がF(不合格)の格付けをするほどの低評価です。自殺した社員に責任を押し付ける報告書の詳細をリポートしました。