新型肺炎、投資家は「楽観」「悲観」どちらに乗る? 中国の1~3月のGDP大幅減速は避けられない

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新型肺炎は世界各地に。「東京五輪までには収束しない」との見方も(写真:ZUMA Press/アフロ)

世界の金融市場が新型肺炎関連の情報で大きく揺れ動いている。今は急速に値を戻しつつあるものの、1月中旬まで最高値を更新していたアメリカの株式市場は、新型コロナウイルスへの備えで中国への渡航制限が発表された1月末に大きく下落して、一時ほぼ年初の水準まで調整した。

新型コロナウイルスの感染がどこまで広がり、どの程度の期間まで長引くのか。言うまでもないが、これを予想するのは感染症に関して素人の筆者の力量を遥かに超える。また未だに判明していないことが多い中で専門家でも様々な意見がある。以下で、今回の騒動が、中国を中心にグローバルな経済活動にどう影響するかについて、敢えて筆者の考えをお示しする。

武漢での感染者数は7~10万人規模に増える?

まず、2月4日時点である程度客観的に把握できることは、今回の新型コロナウイルスによって、2003年に猛威を奮ったSARS(重症急性呼吸器症候群)よりも、感染者数が急ピッチに増えていることである。中国のウェブサイトによれば、すでに2月4日午前時点で2万人以上の感染者となり、日々の感染者数拡大は止まっていない。

一方、武漢からチャーター便で帰国した日本人の感染率などから、武漢における感染者数は7~10万人規模まで増えると複数の専門家が推測している。これが正しいとすれば、感染者数拡大が収束するまでには、まだかなりの時間を要するだろう。

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