ヤマダと大塚家具、「相乗り店舗」開始の内幕 東京と大阪の店舗で家具と家電をセット提案

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昨年12月中旬に記者会見をした大塚家具の大塚久美子社長(左)とヤマダ電機の山田昇会長(撮影:尾形文繁)

2019年12月30日のヤマダ電機による大塚家具買収から1カ月余り。早くも両社協業での取り組みが本格化することとなった。

ヤマダは2月7日から、東京都心や大阪にある大型店舗で大塚家具の商品を本格的に販売する。「LABI1日本総本店池袋」「LABI 品川大井町」「LABI1なんば」「LABI LIFE SELECT 千里」の計4店舗をリニューアルして大塚家具とヤマダのコラボレーションコーナーを配置し、そこで家電と家具をセットにした商品提案を行う。

ヤマダが見出した生き残り策

人口減少やEC(ネット通販)市場の拡大に伴い客の来店頻度が下がる中、家電量販各社は客をつなぎ止める策を講じるのに必死だ。業界2位のビックカメラは医薬品やアルコール、玩具など非家電分野に力を注ぎ、同4位のヨドバシカメラはホテルに参入。6位のノジマはスルガ銀行の筆頭株主となって、金融事業への参入機会をうかがう。

家電量販店は自らが変化をしなければ生き残れない時代を迎えつつある状況下で、業界首位のヤマダが見出した活路は、家電とともに住宅や家具といった住環境に関わる商材をまとめて提案する、「暮らしまるごと」戦略だった。

ヤマダは2011年に高級住宅メーカーのエスバイエルを買収し、現在はヤマダホームズとして年間2000棟以上の住宅を供給する。2012年には住宅リフォームを手がけるハウステックも完全子会社化した。

大塚家具の買収も、この戦略の延長線上にあることは言うまでもない。「少子高齢化で市場は縮小し、家電だけで今後もやっていくことは難しい。私たちは10年先へ投資している」。ヤマダの岡本潤取締役は、大塚家具を子会社化した狙いをこう語る。

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