2022年にIPOショックが来るかもしれない IPOとスタートアップ企業の動向は?

拡大
縮小
東洋経済新報社の記者・編集者が、SBI証券のチーフストラテジストの北野一氏とともにマーケットを展望する月1回の動画連載「Monthly TREND REPORT」。第2回後編では小社会社四季報センターの前田佳子記者が2020年のIPOとスタートアップ企業の動向について解説します(詳しくは動画をご覧下さい)。
前編「それでも日経平均2万8500円を予想する理由

日本のIPO市場は「独特」

前田:2019年のIPO(新規株式公開)は86社と活況でした。ただ社数ベースでは2018年より4社減った程度ですが、時価総額で1000億円以上を超える企業はSansanの1社のみでした。2018年にはメルカリや通信のソフトバンクといった大型企業の上場がありましたので、全般的に小粒化しましたといえそうです。

上の画像をクリックするとSBI証券「Monthly TREND REPORT」のページにジャンプします

また、高い初値がつきにくくなったのも、2019年の特徴です。初値が公開価格の2倍以上になった銘柄は23社でしたが、2018年には40社ありました。それでも2019年11月、12月にIPOを果たした企業については公開価格割れの企業が減るなど状況は改善しました。アメリカや中国などのIPOの環境は必ずしもよくありませんが、日本に関してはこの2019年並みの高水準を維持できると見ています。

北野:なぜ日本はアメリカや中国と比べて好調が持続すると見ているのですか?

前田:日本の場合はスモールIPOが多く、時価総額にすると100億円未満の企業がほとんどで「独自の経済圏」を築いていることが理由の1つにあげられるかもしれません。また未上場市場に流れるスタートアップへの資金も潤沢です。さらに資金調達もさることながら、知名度や社員採用を重視していることなども、IPO市場の好調を下支えしているかもしれません。 

次ページ一見好況の「裏」で、思わぬショックも?
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
【逆転合格の作法】「日本一生徒の多い社会科講師」が語る、東大受験突破の根底条件
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT