10人に1人「社交不安障害」を抱える人の大苦悩

生活の仕方が変わると著しい支障が出る場合も

人前で話すのが苦手、社交の場を避けがち……など、10人に1人が抱えている「社交不安障害」。どういった障害なのだろうか(写真:Chinnapong/PIXTA)
人前で話すのが苦手、緊張してあがってしまう、社交の場を避けがち……。10人に1人が抱えているという「社交不安障害」。心当たりのある方も多いのではないでしょうか? 精神科医、岡田尊司さんの『社交不安障害(理解と改善のためのプログラム)』は、このやっかいなシンドロームの克服法を優しく教えてくれる本。自分を縛る不安の正体を知り、有効なトレーニングを積めば、改善は十分可能です! そんな本書の一部をご紹介します。

こんなお悩みありませんか?

人と関わる場面において、不安や緊張が強いために、社会生活に支障が出る状態のことを社交不安障害と言う。「社会不安障害」という訳語が長く用いられていたので、そちらのほうが、なじみがあるという人もいるだろう。

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それ以前は、「社会恐怖」や「対人恐怖」といった用語も使われた。やや年配の方だと、「対人恐怖症」という言葉を聞かれたことが多いかもしれない。

ほとんど同じ状態を指すのだが、対人恐怖という用語は、人間そのものを恐れるというニュアンスになるが、実際には人前で話すのが苦手なだけで、それ以外の友人付き合いは普通に楽しめるという人も多いわけで、用語として対人恐怖という言い方は廃れ、適用範囲が広い社会(社交)不安という言い方に変わってきたという経緯がある。

そうしたこともあり、社交不安障害の有病率は高く、アメリカの調査でも7~12%とされている。パニック障害や全般性不安障害といったほかの不安障害は女性が多いのだが、社交不安障害は、男女差があまりないのが特徴である。

血液型の分布が欧米と東洋とでは異なるように、人種によって不安を感じやすい遺伝子タイプの分布は異なる。東洋人では、不安を感じやすい遺伝子タイプの持ち主が欧米よりも大幅に多く、報告されている数字よりも社交不安障害の頻度は高いと思われる。

次ページ遠慮や謙遜を重視する文化圏だと社交不安の強さは美徳だった
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