「推論力」がある人とない人の決定的な違い 5G時代に身に付けておきたい「洞察的帰納法」

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今年は5Gの本格展開が始まるなど、ビジネスパーソンにとってターニングポイントの年に。これまで以上に情報やデータがあふれビジネスチャンスも広がりそうですが、副作用もあるようです……(写真:metamorworks/PIXTA)
令和2年は多くのビジネスパーソンにとっても、ターニングポイントの年となるはずです。なぜなら、今年は日本で東京オリンピック・パラリンピックが開催されるだけでなく、5Gの本格的なサービス展開が始まる年でもあるからです。
5Gとは第5世代の移動通信システムのことで、超高速、低遅延、多数同時接続という特徴があります。5Gの本格展開によって、これまで以上にさまざまな情報やデータがあふれ、ビジネスチャンスが大きく広がるでしょう。しかし、拙著『問題解決力を高める「推論」の技術』で詳述しましたが、次のような3つの大きな副作用も生み出してしまうと筆者は考えています。

5G時代の3つの副作用とは?

副作用の1つ目は、モノや情報自体の差別化が難しくなってしまうことです。5G時代には、これまで以上にモノや情報が「誰でも」「いつでも」手に入る状態となり、それ自体で価値を生み出すことが難しくなってしまいます。

そして2つ目の副作用は「情報が流れるスピードの速さ」があなたを圧倒するがあまり、1つひとつの情報の「意味合い」や「解釈」が難しくなってしまうことです。5Gによって情報のスピードが加速度的に増えていくと、人は「情報に追いすがる」だけで精いっぱいとなり「情報を解釈し、推論を働かせる」ことに気が回らなくなります。これは、あなたも実感しつつあるのではないでしょうか。

そして3つ目の副作用は、私たちの働き方にマイナスの影響を与えかねないことです。情報やデータがリアルタイムに可視化されれば、リアルタイムな対応を迫られることになります。いわゆる「高速PDCA」です。しかし高速PDCAは、ややもすればPDCAサイクルを回す現場を単なる「PDCAマシーン」に変えてしまい「次の仮説を立てる」という仮説検証サイクルを回らなくしてしまいます。

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