賃貸住宅の「事故物件」どこまで知らされるのか

どこまで告知されるかはケースバイケース

事故物件・訳あり物件なら入居をやめますか? (写真:liza5450/iStock)
日管協(日本賃貸住宅管理協会)総合研究所では、年に2回、賃貸住宅景況感調査を実施している。今回の調査では、「心理的瑕疵(かし)物件における重要事項説明」に関する質問項目を新たに追加した。心理的瑕疵のある物件は、いわゆる訳あり物件や事故物件などといわれているが、その実態について見ていこう。[第22回賃貸住宅景況感調査「日管協短観」(2019年度上期)を発表/日管協総合研究所]

心理的瑕疵とは?

まず、「心理的瑕疵(かし)物件における重要事項説明」に関する調査の背景について説明しておこう。

当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

「重要事項説明」とは、宅地建物取引業法で定められたもので、賃貸住宅の賃貸借契約を結ぶときには、仲介する不動産会社は借りる人に対して、どんな物件をどういった取引条件で借りるかについて、重要な項目を説明する義務がある。中古住宅を売買の場合も同様だ。

説明すべき項目の中に「心理的瑕疵」が含まれる。瑕疵とは隠れた欠陥のことなので、心理的瑕疵は「心理的に嫌悪するような傷」のことになる。

一般的に該当する事例としては、自殺や他殺、孤独死など人が亡くなったり、暴力団事務所などの嫌悪・迷惑施設が近隣にあったりといったことが挙げられる。仲介会社がそのことを知っていながら、借りる人に告げなった場合は責任を問われることになる。

ただし、どういった場合に心理的瑕疵に該当するのかについては、明確な基準がない。とくに、人が亡くなった場合では、老衰や病気で亡くなってすぐに葬儀が執り行われた場合と、孤独死で長期間それに気づかなかった場合では、心理的な抵抗感や部屋に与える影響の度合いも変わってくる。

借りる人によって心理的に嫌悪する程度が異なったり、仲介する不動産会社の判断基準に違いがあったりなどで、どこまで告知されるかはケースバイケースというのが実態だ。心理的瑕疵に明確な基準を設けるべきだ、という声も強くなっている。

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