岐路に立つOYO、急成長から一転「解約」へ

賃貸住宅のプラットフォーマーへの険しい道

本社を構える日比谷のビル。スタートアップらしからぬ羽振りのよさは、「金主」の存在があってこそか(記者撮影)

日本の不動産業界を揺るがすと思われた企業が、今や自身の経営問題に揺れている。

敷金・礼金・仲介手数料は無料、手続きはすべてスマホ上で完結。2019年春、そんな触れ込みで日本の賃貸住宅業界に殴り込みをかけた企業があった。インド発祥のホテル運営会社「OYO」(オヨ)だ。日本ではヤフー(現・Zホールディングス)と合弁会社を設立し、「OYO LIFE」の名で同年3月よりサービスを開始した。

住み替え需要に照準

入居者が支払うのは家賃と共益費、加えて退去時の清掃費のみ。家賃こそ周辺相場より高く設定されているが、保険料や水道光熱費は家賃に含まれるほか、家具・家電も備え付け。スマホさえあれば身一つで入居できる点がウリだ(事業の詳細は2019年3月10日配信『インドから上陸「不動産業界のアマゾン」の正体』を参照)。入退去にかかる時間的・金銭的コストを抑えることで、若年層を中心とする住み替え需要を喚起する戦略だった。

OYOは物件を自ら所有する代わりに、オーナーから借り上げた物件を転貸する「サブリース」を採用した。入居者から徴収する家賃と、オーナーに支払う保証料との利ザヤが収益源だ。ソフトバンクという「金主」もあり、OYOはサービス開始当初から破竹の勢いで規模を拡大。サービス開始時には数百室だった物件数は、ピーク時には首都圏を中心に8000室を超えた。

そんな不動産業界の風雲児に異変が起きたのは、2019年暮れから2020年初めにかけてのこと。OYOに物件を貸し出していた複数の投資家から、「突然解約の依頼が来た」という声が上がり始めたのだ。サービス開始から1年弱、OYOに何が起きたのか。

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