離婚女性も救うグラミン銀行の貧困層ビジネス キャリアや担保がなくても融資をしてくれる

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政治・経済・教育・健康の各分野で、男女にどれだけの格差があるかを分析する「ジェンダーギャップ指数」という指標がありますが、日本は153カ国中、121位です(2019年)。世界でも男女格差が著しく大きい日本という国で女性が自立していくためには、人一倍の努力が必要でしょう。それには、資格取得や起業を視野に入れたほうが、精神的にも経済的にも豊かになれると思います。

しかし問題は、金融機関がお金をなかなか貸してくれないことです。離婚をした女性や、仕事のキャリアや担保のない女性に融資をしてくれるところは、私の知る限りありません。女性の側も、長年社会と離れていて「自信がない」という人が多いのも確かです。実力はあっても、子育てや介護などで働く時間を制限されている人もいます。

そうした「弱者」としての女性たちに対するお金の支援をどうするか。私は、グラミン銀行が1つの解決策にならないかと考えています。

グラミン銀行が女性支援の方向性を大きく変える

実際、グラミン日本の理事長兼CEO(最高経営責任者)の百野公裕氏に話を聞いたところ、グラミン銀行の企業理念が弱者である女性のニーズにぴったり当てはまることがわかりました。グラミン日本が目指す社会(グラミン日本の理念)は7項目にまとめられています。

驚いたことに、このグラミン日本の運営は主としてボランティアと支援企業で成り立っています。ボランティアの人材は、所属企業においても優秀な方々ばかり。また、支援企業は大企業がずらりと並んでいます。令和時代は、女性や弱者への支援の方向性が大きく変わっていく予感がするのです。

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