「ハイブリッド列車」運転免許は電車か気動車か エンジン搭載、モーターで走る車両が増加

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また、JR東日本のクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」E001形は「EDC方式」といい、電化区間では架線からの電力で、非電化区間ではディーゼル発電機による電力でモーターを動かすという方式の車両である。

JR東日本のクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」は、電化区間では架線からの電力で、非電化区間ではディーゼル発電機による電力で走る(撮影:尾形文繁)

従来のように、電化区間は電車、非電化区間は気動車という枠組みにとらわれず、モーターやディーゼルエンジン、蓄電池などを使用した新しいタイプの車両が増えてきている。HC85系もその流れの中にある。それゆえ、エンジンを積んだ車両ながらも「クモハ」「モハ」「モロ」なのだ。

ただ、運転士に必要な免許は気動車と電車では別だ。HC85系が報道公開された際、気動車の免許でも電車の免許でも訓練すれば運転できると一部で報じられたが、実際のところハイブリッド車両を運転するための免許はどうなっているのだろうか。

どちらかの免許で運転できる

JR東海東京広報室に問い合わせると「甲種電気車運転免許所持者、甲種内燃車運転免許所持者とも、それぞれ免許の種類に応じた知識ならびに技能の教育訓練を実施することで運転操縦が可能になる」という。

「甲種電気車運転免許」とは電車・電気機関車、「甲種内燃車運転免許」は気動車、ディーゼル機関車の免許だ。

したがって、HC85系を運転するためには、甲種電気車運転免許・甲種内燃車運転免許のどちらか片方を持っていればよく、「ハイブリッド車両の運転のために、もう片方の免許を取得させることはありません」(JR東海)とのことだ。

ハイブリッド車両の免許条件については、2016年に国土交通省や運輸局から鉄道事業者に対して文書で通知があったという。

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