「スター・ウォーズ」日本人CG担当者の異色経歴 45歳で証券会社勤務からハリウッドの世界に

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12月20日より公開中の「スター・ウォーズ」シリーズの最新作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』 ©2019 ILM and Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
1977年の第1作『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』から42年。アナキン、ルーク、レイアらスカイウォーカー家の“家族の愛と喪失”の物語の歴史は、12月20日より公開中の最新作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』でいよいよ幕を下ろすことになる。
そんな世界が注目する『スター・ウォーズ』シリーズでは、宇宙船のミレニアム・ファルコン号が大きな存在感を示しているが、そのビジュアルを担当するスタッフのひとりとして日本人モデラー・成田昌隆氏が参加している。
成田氏は、証券会社で20年近いキャリアを経て、45歳の時に一念発起。専門学校で視覚効果の技術を学び、映画業界を目指した。
そして1年後には自動車CMにモデラーとして参加。その翌年の2010年には、リメイク版『エルム街の悪夢』で主人公フレディのリード・モデラーを担当するというビッグチャンスをつかんだ。その後も『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』など数々の大作映画に参加する。
そして、2013年には、ルーカス・フィルム傘下のVFX制作会社ILM(インダストリアル・ライト&マジック)に移籍。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』以降、『スター・ウォーズ』シリーズにも5本参加している。
まさに40歳を越えてからアメリカンドリームを実現した成田氏だが、そのキャリアの裏にあった思いは何なのか。本人に話を聞いた。

――成田さんのお仕事である「モデラー」というのは、具体的に言うとどのようなお仕事なのでしょうか。

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コンピューターの中でプラモデルを作っていると考えていただければと思います。

ただ、プラモデルは箱を開ければ、中に部品が入っていて、それを組み立てればいいのですが、われわれの箱には何も入っていない。まずCGで部品を1つひとつデザインして作ります。そしてそうやって作った部品を組み立てて、最終的な形にしていきます。

コンピューターの中でプラモデルを作るような仕事

――細かい細部のパーツの1つひとつを全部設計するんですか。

基本的に物ですから、すべて決まってないと形になりませんよね。それこそ本当に小さいところまで、要はネジ1つからすべての部品を自分で作って組み立てていきます。

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