2020年の日経平均株価はいくらになるのか? 長期上昇トレンドが続く条件は何か?

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米大統領選の年は、現職大統領が有権者の支持拡大のため、人気を集める政策や経済刺激策を積極化する(写真:AP/アフロ)

アメリカでは、大統領の任期前半の2年は株式市場が低調で、後半の2年は好調になることが多いとされています。大統領も人の子ですから、次の選挙が近づいてくると、人気のある政策や経済を刺激する政策を行って、有権者の支持を広げたくなります。そして、いったん当選すれば、しばらく選挙がないので、不人気でも必要な政策や効果が出るのに時間のかかる政策を手がける気になるからだというのです。

普通の大統領でもそうだというのですから、ドナルド・トランプ氏なら、なおさらやりそうな気がしませんか。アメリカの大統領選挙は4年に1度ですから、周期が約4年でキチンサイクルと呼ばれる景気循環の短期サイクルとも合致します。

過去50年間の大統領選年の年足は85%が陽線

このような、因果関係ははっきりしないけれども繰り返し起こる経験則のことをアノマリーといいます。日経平均株価でも、1月や4月の月間騰落率は、ほかの月よりもプラスである場合が多く、平均上昇率も大きいことが知られています。なぜでしょうか。「新年度に入ると、機関投資家が新しいポートフォリオを構築するために、まとまった買い注文を入れるからだ」といわれていますが、本当のところはわかりません。

話をアメリカに戻して、過去50年間のS&P500指数の年足を調べてみると、大統領選挙のあった13回の年のうち、年足が陰線(年の最初の価格よりも最後の価格が下回ること)だったのは2回だけでした。比率にすると約85%と、非常に高い確率で陽線だったことになります。

この大統領サイクルが現在も有効だと仮定すれば、2020年のアメリカ経済は堅調であり、株式市場も右上がりで推移することが期待されます。

もっとも、アメリカでは過去50年間に陰線だった年は13回しかなく、74%の確率で陽線でした。つまり、「今年のアメリカ株市場は陽線だ」と毎年言い続けても7割強は当たったことになります。誰でも「当たり屋の相場予想師」になれます。

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