及川光博「2点突破スペシャリスト」という凄み イメージでくくれないビジネスパーソンの資質

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映画「七つの会議」完成試写会に笑顔で手を振りながら登壇する及川光博さん(=2019年1月16日、写真:日刊スポーツ新聞社)

今秋に放送されている新作ドラマの中で視聴率トップを快走している「グランメゾン東京」(TBS系)。同作は、「型破りなシェフの尾花夏樹(木村拓哉)、オーナーの早見倫子(鈴木京香)、ギャルソンの京野陸太郎(沢村一樹)らがレストラン『グランメゾン東京』を立ち上げ、ミシュランの三ツ星獲得を目指す」という物語です。

人気を集めている理由は、1990年代から「視聴率男」と呼ばれ続けた木村拓哉さんと思われがちですが、本当に支持されているのは、レストランのスタッフが力を合わせて課題や困難に立ち向かい、絆を深めながら成功を収めていく姿。これが「ハートフルであるとともに、ビジネス的なサクセスストーリーとしても楽しめる」と評判を集めているのです。

レストランスタッフのなかで、飛び抜けて異質のキャラクターなのは、及川光博さんが演じる相沢瓶人。シェフとして尾花らとフランスの「エスコフィユ」で働き、フランス人女性と結婚したが、「ナッツ混入事件」の影響で妻が失踪してしまい、娘のアメリーを連れて帰国する。娘の世話をしながら働くためにレシピサイトでの動画投稿をはじめ、「ウェブレシピの貴公子」と呼ばれ人気者になるが、尾花らに誘われて「グランメゾン東京」に参加。ところが突然、妻が来日し、「アメリーを引き取りたい」と言われ、別れることになってしまう……。

フランス人女性との結婚、ハーフのかわいい娘、レシピサイトの貴公子、すべてを捨てる形での「グランメゾン東京」参加。リアリティのある人物が並ぶ中、一人浮世離れした役柄が設定されたのは、及川光博さんのパーソナリティによるところが大きいようです。

アーティストとしての活動にも精力的

及川さんの活動内容や実績などを掘り下げていくと、芸能人だけでなくビジネスパーソンにとっても参考になる「成功するための戦略」が浮かび上がってきました。

及川さんは今年だけでも、連ドラでは「ハケン占い師アタル」(テレビ朝日系)と「グランメゾン東京」、映画では「君は月夜に光り輝く」と「引っ越し大名!」に出演するなど、“俳優”というイメージの強い人が大半を占めるようになりました。

しかし、実際のところ、毎年15公演以上の全国ツアー「ワンマンショーツアー」や、カウントダウンライブ「ゆくミッチーくるミッチー」を行うなど、アーティストとしての活動にも精力的。これは「それだけの動員力を持つアーティストであり、大きな収入源が2つある」という強みでもあります。

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