あなたが死んだら「〇〇ペイ」はどうなるのか 所有者が亡くなれば残高は消失する?

拡大
縮小
キャッシュレス決済サービスを使っていた持ち主が突然亡くなってしまい、残高が残っていた場合どうなるのでしょうか?(写真:Scanrail/PIXTA)  
人が亡くなったのち、パソコンなどのデジタル機器やネット上に遺ってしまう「デジタル遺品」。他人では詳細がわからないものが多い一方、実際に金銭的価値を持つものが増えているため、相続の場で問題化し始めています。
では急激に日常へと浸透し、もはや「お金」と同じ扱いをしつつある〇〇ペイを遺して突然逝ってしまうと、どんな事態が起こるのでしょうか。

急速に浸透し始めた「○○ペイ」はどうなる

「○○ペイ」という名称のキャッシュレス決済のサービスが乱立し、顧客を少しでも呼びこもうと、各社による割引キャンペーン合戦が続いています。

韓国は全取引の9割近く、アメリカやカナダ、イギリスでも半数近くはキャッシュレス決済しているといわれますが、日本のキャッシュレス普及率はまだそれに遠く及びません。政府は2025年までにキャッシュレス決済を4割まで引き上げる目標を掲げ、2019年9月の消費税増税とあわせて還元事業などを強化するなど、普及に力を入れています。

こうした中、今後は「近所のなじみの八百屋さんが○○ペイに対応した」「サークルの月額費用が銀行振り込みだけでなく電子マネーで支払えるようになった」という感じで、じわじわと日常生活に浸透していくでしょう。

すでに電子決済で地方税が納税できる地方自治体は複数ありますし、光熱費の支払いが可能な電力会社もあります。また、難航していますが、これまで現金の受け渡ししか銀行振り込みでしか認められなかった給与支払いも電子マネーでできるように法改正する動きが報じられたりもしました。

これらのサービスには、大きく2つの仕組みがあります。1つは、ひも付けたクレジットカードやデビットカード、預金口座から直接支払う仕組みのもの。もう1つは、サービス内にチャージした範囲の金額で支払って、残高が足りなくなったら振り込みやポイント購入などで補填する仕組みのものです。

前者のサービスは「アップルPay」や「グーグルPay」「Origami Pay」「ゆうちょPay」など、後者は「LINE Pay」や「PayPay」「楽天ペイ」「ファミペイ」「メルペイ」などが知られています。

そのほかにも、残高によってスマホ決済できるサービスとしては、送金サービスの「pring(プリン)」や、「モバイルSuica」「楽天Edy」のスマホアプリ版も数えることができるでしょう。

では持ち主が亡くなったとき、そうした「○○ペイ」はどうなるのでしょうか。

次ページ残高が生じるサービスの場合
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT