実家の片づけに2年要した40代女性が得た教訓 具体的な計画と期間を決めるのは仕事と同じだ

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モノであふれた実家の台所。日本のどこにでもある光景です(写真:筆者提供)

「実家」という言葉からどのような様子をイメージされますか? ホッとするところ、あたたかく迎え入れてもらえる場所、それぞれご自身の実家を思い浮かべられることでしょう。

実家への思いがどうあれ、親が暮らしている家があるかぎり、その片づけは、遅かれ早かれ身に降りかかってきます。

拙書『大丈夫!実家は片づけられます』でも詳しく解説していますが、実家は片づけられます。ただ、私の場合は2年もかかってしまいました。40代の私が実際に手掛けた生前整理・遺品整理の経緯を振り返ると、親の家の片づけというのは、漠然と想像していたよりずっと負担の大きなものでした。その問題は片づけを始める以前から発生していたように思うのです。

実家(親)との関わりと片づけるきっかけ

私にとっての実家は「風通しが悪くほこりや湿気が気になる」「居ても落ち着かない」「家に上がって座り込むのは年に数回(お盆とお正月)」と、残念ながら居心地が悪く、将来自分が帰ってくる場所とは思えませんでした。

そしてモノを捨てられない母親は、整理収納アドバイザーでもある私に、口出しされることを避けていたと思います。それを察した私も、親の暮らしは親のもの、私は私、と割り切っていたのです。

ところが3年前の春に母の病気が発覚。実家に通わざるを得なくなりました。そこで目にした親の暮らしの現実。

「お母さん、これは病気が良くなる部屋ではないかもよ? この寝室だけでも片づけて、せめて空気の入れ替えができるようになったら、体も良くなるかもよ?」そんな声掛けに母は希望を見出し、一緒に整理を始めたのです。

趣味が幅広い上に凝り性で、資料や材料、作品なども次々と増え、ひとつひとつは小さいのに、チリも積もれば…の恐ろしさたるや。それらの量は6~8畳の3部屋分にまで膨れ上がっていたのです。

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