日本人の給料がまるで上がらない決定的な要因 国際的に見ても、もはや競争力を失っている

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それは、10年前と比べて、自分たちの給料は先輩たちが同年代のときにもらっていた額よりもはるかに少ないのだ。

40代の読者を襲う悲惨な状況

10年前(2008年)にそれぞれの年代がもらっていた給与と、10年後(2018年)の私たちがもらった給与の増減を見てみよう。この間に、社員たちの給与改定が行われた若い世代には給与を上げて訴求性を高める一方で、働き盛りの給料は下げられた。

「昔は職場でゆっくりと新聞を見ていた上司が多かった」という声をよく聞く。当時の課長は余裕があったということだ。さらに残念なことに、当時の課長と今の30~40代の給料を比べると、今の30~40代の給料が実は最も下がっている。かつて40歳だった人がもらっていた給料に比べ、今の40歳がもらっている給料は1割ほど減っている。

30~40代はお金が必要な時期だから問題は深刻だ。私が若い頃は、上司から飲み会でおごってもらうと「お前が上司になったら部下におごってやれ」といわれた。しかし、私たちは上司になったが、そんな余裕はなくなった。

それにしても、2000年代初頭といえばITバブルの崩壊で、就職氷河期の状況だった。このとき社会に出た現在のアラフォー世代は就職氷河期で苦しんだだけでなく、その後の給料水準ダウンも強いられているというわけだ。

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