「天職を見つける人」「見逃す人」の決定的な差

仕事の「違和感」がその人のキャリアを作る

どんな仕事でも最初は、「自分のやりたいこと」ではなく、「誰かから頼まれたこと」から始まります(写真:Fast&Slow/PIXTA)
臨床に携わる一方、TVやラジオ番組でのコメンテーターや映画評論、漫画分析など、さまざまな分野で活躍する精神科医・名越康文氏による連載「一生折れないビジネスメンタルのつくり方」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。

キャリアを「自分で選ぶ」ことはできない

「自分の一番やりたいことを仕事にするには、どうしたらいいか」

仕事やキャリアについて論じた本には、必ず、これに類することが書かれています。「やりたいことを仕事にする」ことが望ましいということについて、僕も総論としては、ほぼ同意します。

同じ働くのであれば、自分のやりたいことをやっている人のほうが日々を明るく過ごせるし、成果も上がる。そういう人が多いほうが、社会全体としてもよい方向に進む可能性が高いでしょう。

ただ、そうやってお題目を掲げたところで、実際に「自分の一番やりたいことを仕事にできている人」がどれくらいいるかというと、どうでしょうか。

多くの人は、日々の生活を維持するためのお金を稼ぐためや、あるいは、配属された場所で、目の前の仕事をなんとなくこなしている……、というのが現実ではないでしょうか。

アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です

誤解があってはいけないので申し上げておきますが、「自分のやりたいことを仕事にできていない」こと自体は、別に悪いことではありません。そもそも、どんな仕事でも最初は、「自分のやりたいこと」ではなく、「誰かから頼まれたこと」から始まります。

会社員であれば、上司の指示に従わなければいけないし、フリーランスの仕事だって、クライアントからの依頼がなければ始まりません。

これは一つひとつの仕事だけではなく、就職や転職など、長い時間軸でみたときのキャリアについても、言えることです。自分が「選ぶ」というよりも、他人から「選ばれる」ことによって、キャリアはスタートします。
取引先やお客さんはもちろん、上司からの命令や、同僚、部下からの相談ごとに応えてきたプロセスが、その人のキャリアなんです。

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