担い手不足「町内会」の活動にメリットはあるか

ある日突然、町内会長が回ってきたら・・・

また、ご近所に住む人はほとんどが良い人と言いつつも、「何もしないけれど声は大きい(しかも折れない)高齢者」がいて、クレーム処理係のようになってしまうのも負担が大きいようです。

「兄はマンションに住んでいて、同じように町内会の会長をしたのですが、議事録作成などは外部企業にアウトソースして、なにかあったときにハンコを押すだけだったと言っていました。あまりの差にびっくりしています」とAさん。

「行事をゼロベースで見直す」のもあり

Aさんのコメントをもとに、現在の町内会の不満点をまとめると、(1)町内会の加入・役職を断ることができない、(2)行事・会合が多数あり、目的が不明瞭、(3)高齢者が多く、進め方・情報共有の方法が時代に追いついていない、(4)進め方を改善しようとしても拒まれる、(5)平日にも会合があり、仕事と両立できないといったところでしょうか。

地域活性化コンサルタントで、まちづくりや町内会・自治体の問題についても詳しい水津陽子さんによると、日本全国、ほぼどこの町内会も同じような問題を抱えているといいます。

「町内会の役員の多くは70代で、これまでのやり方をなかなか変えられずにいます。一方で、町内会に求められる役割は防災・防犯・清掃・地域活性化・子どもの見守りと増えるばかりなのに、新しい人・若い人が加わらないので、いつものメンバーに負担が偏りがち。変わりたいけれど、変われないジレンマ、過渡期なんです」と水津さん。

では、こうした「負担感」「やらされ感」を軽減し、うまくやるにはどうしたらよいのでしょうか。

「そもそもですが、本来、自治会・町内会への加入はあくまで『任意』、強制できません。Aさんのように加入した後に聞いていない役が回ってきて、順番だからと強制され困惑する人は少なくありません。昔は慣習やルールで仕方なく受けてきたと思いますが、今ではそれが未加入の理由の一位。やりたくない人に『これはやってきたことだから』『昔からのやり方で』と押し付けるやり方では担い手は減るばかり。

また、自治会・町内会の活動は法律で定められた役割でもありません。極論を言えば、一旦すべてやめても誰にも罰せられません。会員の総意で今、必要な活動や運営法をゼロベースで見直してもいいのです」と大胆な提案をします。

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