マツダ「CX-30」は、C-HRやヴェゼルに勝てるか 10月下旬に発売、アウディQ2とも真っ向勝負

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CX-30の国内の月間販売目標は2500台。マツダの既存顧客の買い替え、追加購入が4割、新規客の購入が6割と想定する。既存顧客では、より広い空間が欲しいCX-3ユーザー、子どもが巣立ったなどの理由で車のダウンサイズをしたいCX-5ユーザーを主に想定する。

新規顧客のターゲットはC-HRやヴェゼルのユーザー、あるいはこうした車種の購入を検討している人だ。「これまでマツダに振り向いてもらえなかったヤングファミリーに取り回しのよさや使い勝手をアピールしていく」と、マツダ国内営業本部の齊藤圭介主幹は話す。

マツダは夫婦がともに運転することを想定し、運転が苦手な女性でも安心して運転できるように工夫をこらした。着座位置を高めに設定することで視認性を向上し、斜め前方の死角を減らした。車両後部のピラーの形状を工夫することで斜め後方の視界も広く確保している。

さらにラゲッジスペースにもこだわった。ヤングファミリーが乳幼児を連れて旅行や帰省をする時に必要な荷物を搭載できるように、C-HR(318リッター)やヴェゼル(393リッター)を上回る430リッターの大容量を確保。開口幅も1メートル以上と広く取り、ベビーカーやスーツケース、IKEAで買うような組み立て家具を積み込みやすいようにしている。

こうした運転のしやすさや室内空間の広さに加えて、マツダ車の強みの1つである「魂動(こどう)デザイン」にも磨きをかけた。柳澤亮チーフデザイナーは「世界で最も美しいクロスオーバーSUVを目指した」と話す。

アウディのQ2とも競合

CX-30のガソリンタイプは239万2500円(10%税込み)~、ディーゼルタイプは288万7500円(同)~で、C-HR(8%税込み229万円~297万9200円)やヴェゼル(同207万5000円~292万6000円)と価格的にも競合する。

他方、最新エンジンのSKYACTIV-Xを搭載したタイプは329万4500円~371万3600円(10%税込み)と輸入車の価格帯と重なる。マツダが特に意識するのはドイツのアウディ「Q2」だ。

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