「2週間誰とも話してない」独居老人男性の切実

シニア向けの結婚相談所には80代の登録者も

もちろん女性側も孤独を感じることがある。

たとえば、離婚してシングルマザーとして必死で子育てをしてきて、ようやく子どもたちが独立したとき。やっと肩の荷がおりたとほっとする半面、さみしさも感じるだろう。

これからは自分のために生きたいし、誰かそばに寄りそってくれる人がいたらいいのに──そう思うのは自然なことだ。

だが、シニア女性の婚活理由としてもっとも大きいものは経済的不安である。

高齢単身女性の相対的貧困率は、近年若干の低下傾向が見られるものの、2012年時点で45%が相対的貧困にあるとされている。(阿部彩[2015]「貧困率の長期的動向:国民生活基礎調査1985~2012を用いて」貧困統計ホームページ)

夫と死別して遺族年金を給付されている人や、正社員として働きつづけてきた人をのぞくと、高齢単身女性は一般的に、経済的不安をかかえている人が少なくない。

女性の場合は圧倒的に離別の人が多い

中高年向きの結婚相談をおこなっている民間福祉団体・太陽の会の本部会長である斎藤尚正さんによると、男性の会員は前のパートナーと死別した人と離別した人が半々くらいだが、女性の場合は、死別した人は3割程度。圧倒的に離別の人が多いという。

「女性の場合、最近は経済的な理由で入会する人が増えています。以前はそれほどでもなかったので、それだけ離婚が増えた、ということでしょう。

若いうちは働けても、60歳をすぎると、働ける場所も減ってくる。さみしいからというより、経済的な不安を解消したいというのが第一の目的で入会するわけです。

一方、前の配偶者と死別した人に関しては、男女でかなり意識の差があります。

女性は、持ち家や遺族年金があれば、生活はそれなりに安定しています。さみしい気持ちはあるけれど、友人や子ども、孫などと楽しい時間をもてる人は、旦那さんの思い出があれば、生きていけるんですね。

ところが妻と死別した男性は、さみしくて耐えられないという人がけっこう多い。

だから妻の一周忌前に入会する人も、少なくありません。なかには初七日が終わらないうちに相談に来る人もいます

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