横浜に本社移転の京急、「カジノ」にはどう対応? 品川に加え、みなとみらいでも不動産開発

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赤い電車で知られる京急。本社を現在の泉岳寺から沿線の中心駅である横浜に移転する(写真:HAYABUSA/PIXTA)

品川、川崎、羽田……。数ある候補地の中から京浜急行電鉄が本社の移転先として選んだのは横浜だった。

京急の本社ビルは都営地下鉄・京急の泉岳寺駅の真上にあった。しかし、JR東日本や東京都が進める品川―田町間再開発の敷地内にあたることから、京急は本社移転を決断した。

移転先については、現在の本社から近くリニア中央新幹線の拠点駅でもある品川、京急の創業の地ともいえる川崎、ドル箱路線である「空港線」が走る羽田など、いくかの候補地が検討されたが、品川と三浦半島を結ぶ京急本線の真ん中にあるという理由で横浜が選ばれた。

横浜駅前に広がるみなとみらい21地区に地上18階建てのビルが建設され、9月2日に竣工した。

目玉は車両を展示したミュージアム

新しい「京急グループ本社」ビルは横浜駅から徒歩7分。日産自動車のグローバル本社ビルと歩行者デッキで直結する。京急グループ11社が入居し、他社への賃貸は行わない。エントランスホールの天井には京急の軌間の幅と同じサイズの1435mmの木製パネルを多数配置して、「さざ波」を表現するという凝りよう。

京急グループ本社ビルの1階に置かれた「デハ230形」。今年度中にミュージアムが開業する(記者撮影)

目玉は、今年度中に開業予定のミュージアム。京急の名車両「デハ230形」が展示されるほか、さまざまな展示が計画されている。「本来なら竣工式に合わせて開業したかったが、間に合わなかった」(京急広報)。展示内容についても相当凝っているに違いない。

近隣の資生堂のビルにも企業ミュージアムがあり、京急にはこうした施設と連携していく考えもある。子どもに人気の「アンパンマンこどもミュージアム」や「原鉄道模型博物館」もすぐ近くにあり、ファミリー向けをキーワードとした連携も可能だろう。

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