自分ではわからない「自己流完璧主義者」の特徴 「俺のルールはみんなのルール」になっている

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「重箱の隅をつつくような質問」をしていませんか?(写真:Sunrising/PIXTA)

締め切りをとっくに過ぎているのに、資料を提出してこない部下、重箱の隅をつつくような指摘をして部下のモチベーションを下げる上司……。彼らもまた、職場の「困った人」の代表選手である。前回(「妙に威嚇してくる上司」実は味方につけやすい)に続き、『職場の「苦手な人」を最強の味方に変える方法』の著者、片桐あい氏が、「エニアグラム」を用いた性格タイプ分析で、職場の人間関係の問題を解決する最適な方法をお伝えする。

自己流完璧主義タイプの扱い方

「エニアグラム」とは、個人の特性を9つのタイプに分類する性格診断で、今から約2000年前に誕生し、当時のイスラム周辺の王家に口伝されてきた帝王学だ。その後、ヨーロッパに広まり、今ではビジネスにも応用できる学問として、スタンフォード大学のMBAの教科だけでなく、CIA(アメリカ中央情報局)の研修にも取り入れられている。

タイプ1=自己流完璧主義タイプ
タイプ2=おせっかい・干渉タイプ
タイプ3=自慢・手柄横どりタイプ
タイプ4=個性的すぎる・嫉妬タイプ
タイプ5=分析・評論タイプ
タイプ6=石橋をたたいて渡らない・風見鶏タイプ
タイプ7=飽きっぽい・言い訳タイプ
タイプ8=勝ち負けにこだわる・力ずくタイプ
タイプ9=はっきりしない・ぐずぐずタイプ

冒頭に登場した部下と上司は、エニアグラムのタイプ分けによると、ともに「タイプ1:自己流完璧主義タイプ」に当てはまる。自分の決めたルールに従って努力をし、あるべき姿に向かって改革を推進するタイプ1。しかし、細部にこだわりすぎるぶん、行きすぎると相手にもそのルールを守るように強要することがある。そして自分の信念やルールのために、時に組織の目標とは違う方向に進もうとすることも多いのである。

しかも彼らは、抵抗があればあるほど燃えるタイプときている。だから例えば、このタイプの部下に対して「締め切りを勝手にずらすのは、組織の一員としては失格です」と指摘しても、自分なりの理屈やルールを並べて全力で正当化しようとするのだ。

では、どうしたら、彼らをあなたの味方にできるのか。それには、「組織のすべき」と「本人のすべき」の共通項を一緒に見つける「共通ゴール思考」を用いることである。

それにはまず、相手がどうしたいかという「理想のゴール」を確認する。そして、こちらの理想のゴールを説明し、重なる部分を探す。そして共通項の中で、最も重要度の高いものを実現する方法を一緒に考えていくのである。

次ページタイプ1の部下を味方に変える質問
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