架線あるのに…「電車に乗れない」電化区間10選 走るのはディーゼル車ばかりでもったいない

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JR鹿児島本線の一部を引き継いだ肥薩おれんじ鉄道は、架線が張られた電化区間であるが電車には乗れない。レストラン列車「おれんじ食堂」もディーゼルカーだ(写真:tetsuo1338/PIXTA)

架線の張られた電化区間といえば、普通の人なら電車が走っていて当然と思うだろう。しかし、実際には諸般の事情から電車はまったく走っていない路線、走っていても本数はごくわずかという不思議な路線がある。今回は、そうした電化区間なのに電車に乗れない残念な路線を紹介しよう。

新幹線の「並行在来線」に多い

まずは、新幹線が開業し並行在来線だったのでJRの手を離れ、第三セクター鉄道となった路線から。

1)肥薩おれんじ鉄道

JR鹿児島本線の一部区間(八代―川内)は2004年3月の九州新幹線部分開業(新八代―鹿児島中央)を期して第三セクター肥薩おれんじ鉄道に転換された。JR時代は、特急列車、普通列車すべて電車で運転されていたほか、夜行列車は電気機関車牽引であった。

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しかし、第三セクターとなって経費節減のため高価な交流電車を用意することなく、旅客列車はすべてディーゼルカーとなったのである。沿線は過疎化が進み、普通列車の乗客は多くない。1両で運転される単行列車も多い。機器搭載の関係で2両以上の編成を組まなくてはならない交流電車では過剰投資となることもディーゼル化の要因であろう。

レストラン列車「おれんじ食堂」もディーゼルカーであるし、一時期通過していた「ななつ星in九州」も専用のディーゼル機関車牽引だ。現在、電化設備を利用しているのは貨物列車だけである。

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