欧州で「夜行列車復活」の機運、日本の鉄道は?

廃止した各国が運行再開検討、新規参入も

チューリッヒ駅で発車を待つオーストリア鉄道の「ナイトジェット」。ヨーロッパの夜行列車事業を牽引し、運行する路線はいずれも好調だ(筆者撮影)

スイス国鉄の国際旅客輸送担当責任者であるアルミン・ウェーバー氏は今年5月末、スイスの放送局SRFに対し、同国鉄がこの数年以内に夜行列車の運行に再参入する具体的な計画があることを明かした。

スイス国鉄は2009年限りで夜行列車事業から撤退したが、現在もオーストリア鉄道の夜行列車「ナイトジェット」が同国のチューリッヒを起点とした便を運行しており、いずれも高い乗車率を誇る人気列車となっている。チューリッヒからは、ほかにもハンガリー鉄道がブダペストへ直通の寝台車を運行するなど、中東欧方面への夜行列車もあり、これらも人気がある。

夜行列車復活の機運、なぜ?

夜行列車事業への再参入に際してスイス国鉄は、オーストリア鉄道がシーメンス社へ発注している新型寝台車と同型の車両導入も検討するとしている。スイス国鉄は夜行列車事業から撤退した際、寝台車すべてを廃車もしくは他社へ譲渡しており、現在は1両も保有していない。新型車の導入には2~3年を要するため、再参入は早くても2022年以降となる見込みだ。

デュイスブルクからワルシャワへ運行していた夜行列車はシティナイトライン廃止と運命を共にしたが、高い乗車率を誇っていただけに、復活の可能性も否定できない(筆者撮影)

スイスに限らず、ヨーロッパでは昨今、夜行列車復活の機運が高まっている。日本と同様、ヨーロッパの夜行列車も高速列車や競合交通機関に押されて衰退の一途をたどっていたが、ここ数年は夜行列車の削減に歯止めがかかり、いったん廃止した路線に再開の動きが出てきている。

その最大の理由は、オーストリア鉄道のナイトジェットの人気だ。同鉄道は2016年にドイツ鉄道から夜行列車「シティナイトライン」の運行を引き継いで高い収益を上げており、2017年、2018年ともに、前年を上回る実績を記録している。

次ページオランダも夜行乗り入れ再開へ協議
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事
  • 競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 育休世代 vs.専業主婦前提社会
  • 若者のための経済学
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
かんぽ まさかの10月営業再開<br>日本郵政グループの不適切判断

日本郵便本社が発した「10月からかんぽ営業を段階的に再開」との緊急指示に、現場は大混乱。乗り換え勧奨禁止などの再発防止策、7月末に実施を発表した全件調査、特定事案調査にも大きな問題を残したままだ。拙速な営業再開の裏には何が。