斬新!ダイキンの「イタリア新オフィス」に潜入

働き方改革は今、世界中でアツいテーマだ

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それぞれ異なる目的で設計された、「DOJO」と「KIZUNA」

1階に降りると、南館「KIZUNA」と北館「DOJO」に分かれる。「KIZUNA」は、開放的な空間に木製のいすが並べられ、セミナーやイベントができるスペースが各所に設けられている。内容に応じてレイアウトを変えながらまるで大学のように自由に学べる雰囲気にあふれており、ダイキンが顧客や学生と情報やアイデアを共有し、共に学び成長していくための場となっている。

「KIZUNA」のネーミングは実は、ダイキンイタリアではすでにおなじみのものだ。亀川氏が社長に就任して間もなくの2014年12月、エアコンの保証期間を2年から4年に延長した際に、このサービスを「顧客との強い関係性」を意味する「KIZUNA」と命名。南館のコンセプトに合うため、今回、こちらにも採用されたという。

「KIZUNA」には木製のいすが置かれ、温かく心地よい空間になっている 

2019年6月にはここで「循環型経済に関してのイベント」が行われ、100人以上の集客があったとのこと。SNSでも1000人以上がつながり、ダイキンイタリアのファンづくりに大きく貢献したことがわかる。

一方の「DOJO」は技術研修の場や、サービス協力店のスタッフたちが製品を試運転できる場となっている。扉を開けるごとにエアコンや室外機ほかさまざまな機械が並び、修理を依頼された際に故障箇所を探る研修ができる部屋まで用意されている。「学生は未来の施工業者と考え、エンドユーザーにもこの場所を開放し、学んでもらう機会をつくっている」というセンシ氏の話に、先のエコシステムの構築が結び付く。

目指すは子どもが憧れる「2世代続くお店」

「DOJO」の中に設けられた実技研修室

「DOJO」では2018年5月、サービスゲーム「技能オリンピック」のイタリア予選が開催された。これは、ダイキンの世界中のサービスエンジニアが据え付けや修理などの技能の高さを競い合うもの。50人が参加し、勝ち抜いた2人は世界大会への出場を目指して、次はベルギーで開催される欧州予選に参加予定だ。こうした取り組みも、サービス協力店の人々が誇りを持って仕事をし、その姿に子どもが憧れて職を継ぐ"2世代続くお店"を目指しているからだ。 

亀川氏は取材の最後に「今回のオフィスは、未来の従業員のためにもどうしてもミラノ市内に構えたかったのです。ここはミラノ中心街から徒歩圏内の立地。地方の人にとって、このオフィスが行ってみたい場所となるのは大切な要素です。大型空調機の工場もオフィスから車で20分ほどの距離にあり、『DOJO』に置かれた設備機器だけでなく、生産の現場まで見てもらえるのは大きい」とも。

ダイキンイタリアでの取材風景。さまざまな工夫が凝らされた施設をくまなく見学した

AIやIoTの先進技術が大きく進化している昨今。ダイキンは近年、すべてのテクノロジーを自前で調達していてはビジネス競争に勝ち残れないという危機感から、「協創」というキーワードを掲げて、他企業や大学との協業を積極的に進めてきた。「協創」の対象は社外に限らず、これまで関わりが薄かった社内の部署同士も含んでいる。

コミュニケーションを活性化させるダイキンイタリアの取り組みは、まさに社内の「協創」を促すものといえよう。亀川氏も「われわれがオフィスを通して取り組んでいることは、結果的に、ダイキンが全社的にグローバル規模で目指している『協創』と通じるものがある」と胸を張る。

同社が目指す「エコシステム」は、先を見据えステークホルダーとの協創をより広く深くするためのものなのだろう。社内で営業や企画に携わる人も「DOJO」で機械に触れ、サービスの現場にいる人とコミュニケーションが図れることのすばらしさ、2世代続く店舗のための丁寧なファンづくりの大切さを、ダイキンイタリアのオフィスで知らされたように感じる。

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