ユニクロの服が何とも組み合わせしやすい理由

「完成された部品」として機能性も高い

いまや世界中に多くの消費者を抱えるユニクロ。そのブランド概念にはユーザーに対する心遣いがありました(写真:carterdayne/iStock)
ユニクロがここまで普及した理由は、服は特別なもの、おしゃれは難しいという思い込みを解き、服で個性を競うことに疲れた人々の心を掴んだから。これまで指摘されることのなかったユニクロのメッセージと消費の変化を気鋭の社会学者が『おしゃれ嫌い 私たちがユニクロを選ぶ本当の理由』(幻冬舎新書)で鮮やかに読み解きます。

主張がないから「部品」になれる

いつでも、どこでも、誰でも買える、「みんなの服」。そんなユニクロの服の特質を明確に表しているのが、ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長である柳井正の名言「服は服装の部品」であろう。この文言は2011年にユニクロイノベーションプロジェクトを立ち上げ、ユニクロの服とは何かを改めて問うた際にも、真っ先に挙げられている。つまり、「服は服装の部品」とはユニクロの最も重要なコンセプトであると言える。

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では、その根幹を成す文言に注目してみよう。「ユニクロの服とは、服装における完成された部品である」とは何を意味しているのだろうか。

そもそも部品とは何か。部品とは全体の一部、パーツであって、一つだけでは服装になりえないものである。部品をいくつも組み合わせることで、全体ができあがっていく。したがって、必然的にユニクロの服は一枚で様になるワンピースや揃いのスーツよりも、セーター、シャツ、パンツというような単品のアイテムが中心となる。

また、部品であるからには、一つ一つが個性を主張しては、全体が不協和音を奏でることになるが、その点、ユニクロの服は、それぞれの部品同士を組み合わせることが前提となっているために、コーディネートしやすく、表だった主張のないアイテムが揃っている。限りなくベーシックなデザインが部品の名に相応しい。

そして、部品であるからこそ、ユニクロの服は、絵の具や色鉛筆のセットのように、圧倒的なカラーバリエーションを誇っている。何色も展開することで、部品は部品としての役割を全うするのだ。赤い絵の具が欲しい客に、今季は青しかありませんとは決して言わないのがユニクロの凄さなのだ。トータルな服装を描くためには、いつでも必要な部品を店にスタンバイさせておかなければならない。

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