「高齢ドライバー」が危険だとわかる統計的根拠

若者ほど「死亡事故」起こしやすいデータも

高齢ドライバーの事故の割合を、統計学の視点から読み解きます(写真:fabphoto/iStock)
客観的な統計データをもとに社会問題を比較分析する「データで読み解く」シリーズ、第5回は「高齢ドライバーは本当に危険な存在なのか?」というテーマで語っていきます。

2019年4月19日、東京・池袋で起きた交通死傷事故では、80歳代のドライバーがブレーキを踏んだ痕跡がなかったという報道もあり、テレビのワイドショーなどでも大きく取り上げられました。その直後の神戸バス事故(4月21日)をはじめ、このところ高齢者の交通事故のニュースがよく話題になります。そして、死傷者が多数出る悲惨な事故も多いことから「高齢者から運転免許を剥奪せよ」といった声も上がっています。

高齢者の交通事故は増えているのか?

一方、「高齢者自体が増えているんだから、高齢者の交通事故が増えるのも当たり前だ」という声も聞かれます。それではいったい、高齢者がどのくらい増えて、事故はどのくらい増えているのでしょうか? 基本となるデータを調べてみました。

今回、参考にしたのは交通事故分析センターの交通統計です。ここでは1993(平成5)年から2016(平成28)年までの交通事故のデータが無料で公開されています。

一口に「高齢者の交通事故」といいますが、よく報道されているような高齢者が運転手として引き起こした事故も、歩道を歩いていた高齢者が巻き込まれる事故も同じ「交通事故」になります。しかし後者が混じっていては高齢者が引き起こす交通事故の変化を知ることはできません。

そこで、ここでは「第一当事者」となった交通事故数を年代別に調べてみました。交通事故の当事者には、

1)過失の軽重
2)人身損傷の程度

の2つの基準によって当事者の順位が決められます。例えば信号無視の運転者Aと青信号の運転者Bによる交通事故があった場合、過失が重いAの方が第一当事者となります。たとえAのほうがBよりも重傷であってもAが第一当事者であることには変わりません。

一方、センターラインのない見通しのよい道での正面衝突のように、2人の運転者の過失割合が等しい場合は、ケガの軽い方が第一当事者、重い方が第二当事者とされます。片方が死亡した事故の場合、死亡しなかったほうが第一当事者になります。

次ページデータでわかる「高齢者の事故の増加」
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