性暴力の電話相談、24時間受付化で3倍増の背景

従来の時間外の時間帯に7割が集中

犯罪被害者らの支援を強化するために電話相談を昨年から24時間化にしたところ、緊迫した相談が増えたという。写真はイメージです(写真:primagefactory/PIXTA)

福井県福井市の県済生会病院にある「性暴力救済センター・ふくい」(通称:ひなぎく)が、性犯罪被害者らの支援を強化しようと電話相談を24時間対応にして7月で丸1年を迎えた。

夜間や休日でも被害者が安心して利用できるようになり、相談者数は月平均約19人と従来の3倍になった。「心の中で不安や悩みが生じたら、曜日や時間を気にせずすぐに相談してほしい」と呼び掛けている。

24時間化にしたことで相談件数が3倍に

ひなぎくは2014年、被害者からの電話相談、診療、カウンセリング、警察など関係機関との連携を1カ所で対応する「ワンストップ支援センター」として開設された。当初の相談受け付けは平日の午前8時半~午後5時だったが、昨年7月9日から24時間365日体制にした。

日中は同病院の医療ソーシャルワーカーや看護師の女性相談員が対応。夜間、休日は、対応経験豊富な委託先の看護師、保健師、助産師らが担う。応対者は原則女性で、緊急避妊薬の処方や妊娠検査など緊急を要する場合は、県済生会病院に即座に連絡、処置してもらう。

ひなぎくによると、2018年4~6月の新規相談者数は17人で月平均約5.7人だったが、24時間化した後の2018年7月~2019年6月は223人。月平均約18.6人と一気に3倍になった。従来は時間外だった午後5時~午前8時半や休日の受け付けが152人と約7割を占めている。

223人の内訳は、女性139人、男性45人で不明が39人。このうち年齢を伝えたのは98人。10代が36人で最も多く、20代が22人で続いた。10歳未満も1人いた。

「電話対応を24時間化したことで、緊迫した相談が増えた」と話す細川久美子センター長=福井県福井市の県済生会病院(写真:福井新聞)

強引な身体接触や性行為、交際相手による隠し撮りといった相談のほか、近年は「SNSで知り合った相手に裸の写真を送ったところ、画像をばらまくと脅され要求がエスカレートした」「県外の民泊で盗撮カメラが仕掛けられていた」などの内容も。男性からは「大勢の前で裸にさせられポーズを強要された。トラウマ(心的外傷)でつらい」などの声が寄せられた。

ひなぎくの細川久美子センター長(57)=県済生会病院産婦人科部長=は「被害発生後すぐに相談できるようになり、緊迫した電話が増えた」と24時間化後の状況を話す。

数年前の被害や県外での被害にも対応しており「友人や同僚、近隣住民など第三者からの相談も受け入れる。まずは連絡を」と呼び掛けている。

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