宮迫と亮の「不本意な告発」が起こした巨大衝撃 「窮鼠猫を噛む」、吉本興業の姿勢問われる

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7月20日午後、東京都内で記者会見を開いた宮迫博之さん(左)と田村亮さん(写真:共同通信)

2時間33分に渡る緊急会見は、「今年一番の衝撃」と言っていいのではないでしょうか。

7月20日、雨上がり決死隊の宮迫博之さんと、ロンドンブーツ1号2号の田村亮さんが会見を開き、反社会勢力の会合に出演したことや、当初、嘘をついていたことなどを謝罪しました。

ただ、2人の過ちは一連の報道でほぼ明らかになっていたため、会見の主な目的は「誠心誠意謝る」のみ。2人をバッシングしていた世間の人々も、「反社会勢力とのつながりがないことが分かり、所得申告を修正して会見を開いた以上、責めるところは『お金は受け取っていない』と嘘をついた点しかない」という解釈に変わりつつありました。

そんな「騒動もいよいよ終わり」というムードが漂っていたからこそ、2人が会見で見せた“吉本興業への不本意な告発”は大きなインパクトがあったのです。亮さんは、「吉本の暴露みたいにとらえられるのは嫌だった」「嘘をつかずに話し、謝罪がしたいだけだった」と言っていましたが、まさに窮鼠猫を嚙む。極限まで追い詰められたことで、恩義があるはずの吉本興業に噛みついてしまったのではないでしょうか。

もちろん吉本興業にも言い分はあるでしょうし、「本日の会見内容をしっかり精査し、後日速やかに何らかの対応いたします」というコメントを待ちたいところではありますが、まずは2人の重要なコメントをピックアップしつつ、今後の焦点をつづっていきます。

「今さらひっくり返せず」「会社としては静観」

宮迫さんは当初、「お金はもらっていない」と言っていましたが、6月8日に真実を吉本興業に告白。しかし、6月24日に呼び出されるまでは、「今さらひっくり返せません」「ずっと静観で行きましょう」と言われて、身動きが取れなくなっていたようです。宮迫さんは「何度か『会見を開いて(本当のことを)言ったほうがいいのではないか』と言っても、『いえ、会社としては静観です』と言われました」とコメントしていました。

この対応が本当なら組織としての隠蔽であり、「そういう体質の会社」とみなされても仕方がないでしょう。今回の騒動には、契約形態や待遇、ガバナンスの問題が背景にあり、宮迫さんの嘘を信じたのも、企業としての調査姿勢や危機対応の甘さが見えます。また、初動対応を間違えたとしても、次の対応でそれなりの修正ができたはずであり、「“静観”で世間の人々とメディアを押し切れる」という自分本位の目論見があったのは間違いないでしょう。

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