富士登山で「子供と真剣に向き合う」男の挑戦

東北復興のために高校生1000人を目指す

中央の緑の服を着た女性が、鈴木千紘さん(福島県立田村高等学校卒業)。2014年の富士登山の際、頂上で田部井淳子さんと記念写真を撮影する様子(写真:©︎一般社団法人田部井淳子基金)

登山家・田部井淳子さんの呼びかけで始まった「東北の高校生の富士登山」プロジェクト。第8回目となる富士登山が、7月23日からの2泊3日で開催され、今年も東日本大震災で被災した東北の高校生105人が富士山の頂上を目指します。

登山家・田部井淳子さん。エベレストの頂上で撮影した写真(写真:GARDEN Journalism)

福島県三春町出身の田部井淳子さんは、1975年に世界で初めて女性としてエベレスト登頂に成功した日本人登山家。2016年10月20日に他界するまで、76カ国の最高峰・最高地点に登頂しました。

人生最後の登山となったのは、「東日本大震災で被災した東北の高校生たちを力づけたい」と2012年に立ち上げた「東北の高校生の富士登山」プロジェクトでの富士登山でした。最後まで、富士山の頂上へ向かう東北の高校生たちを励まし続けたといいます。

冒険心から登山を始めたと話していた母

田部井淳子さんのご子息であり「一般社団法人田部井淳子基金」代表理事・田部井進也さんは、田部井淳子さんがプロジェクトの開催地として富士山にこだわった理由をこう話します。

本記事はGARDEN Journalism(運営会社:株式会社GARDEN)の提供記事です

「母が初めて山に行ったのは、小学生のときの那須岳(栃木県)と言われています。自分たちの故郷から離れた場所に行ったとき、今まで見たことない光景が広がっていたらしいんです。

小学生って、自分たちのエリアってすごく狭いじゃないですか。そこから1歩出たときに、例えば那須岳は活火山なので、『地面があったかい』とか、『噴煙が出ている』というのを見て衝撃を受けて。『この先はどうなっているのかな』という冒険心から登山を始めたと話していました。きっと母は、それを彼らに感じてほしいんじゃないのかなと。

自分たちのエリアにいるんじゃなくて、富士山に行って『日本一』を感じたときに、何かを感じてくれるんじゃないかという思いで始めたのだと推測して、このプロジェクトを進めています」

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