トイレ38基完備、「木場公園」のスゴイ防災設備

東京・江東区の公園でその驚きの機能を見た

では、さっそくご案内いただきましょう。一見、公園の風景になじんだ普通のベンチですが、鍵をあけ、フタを持ち上げると、火をくべられる「かまど」が出てきます。

一見、よくある公園のベンチですが、サイドから持ち上げるとかまどが登場!炊き出しができるように(写真:片山貴博)

この防災ベンチ、フタを持ち上げるだけなので、ものの数分でベンチからかまどになります。非常時はこうした分かりやすさも重要なのでしょう。また、災害に備えて毎月1度、職員が必ず鍵を開けて組み立て、震災対応訓練をしているそう。その他、町内会やボランティアの防災訓練、防災普及啓発イベントなどでも利用しているといいます。

ちなみに、かまどベンチが登場したのは10年以上前。メーカーも複数あり、また少しずつ改良・バージョンアップしているそうで、ボランティアや炊き出しに不慣れな人でも戸惑わずに使えるよう、日ごろからの訓練が大事なのだとか。

「防災訓練、防災イベントは直火を使っての訓練になるので、お子さん方にも好評です」といいます。また地元の小学校などの授業でも活用されることがあり、案外、子どものほうが防災機能に詳しいそうです。ちなみに、ベンチには“寄贈●●”という地元企業名・店名が刻印してありました。企業と地元住民の信頼関係が垣間見えていいですね。

マンホール型トイレは38基

その次にご案内いただいたのが、防災トイレです。木場公園では、日常的に利用されている公衆トイレに地下便槽が付いており、万一、電気などのインフラが寸断された場合には汲み取り式になるそう。加えて、上部にテントを組み立てて利用するマンホール型トイレを38基ほど備えています。

1、奥の日常時にも使われている公衆トイレは、電気・上水が止まっても使える地下便槽付き。2、手前の芝生広場にあるマンホールのようなものが、マンホール型トイレ。3、器具を使ってあけると、和式トイレになる。4、ここからトイレの周囲にテントを張っていく。5、テントと同じ手順で骨組みを建てて、器具に固定していく。6、ペグ(地面に固定する道具)を打って、風で飛ばないようにしっかり設営(写真:片山貴博)

このトイレですが、一見すると芝生の広場にある目立たないマンホールになっているので、「いつも歩いているのに知らなかった!」「このトイレはありがたい」といちばん驚かれる&感謝される存在なのだそう。

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