小学校受験対策が机上の学習で終わらないワケ 子の出来や合否に囚われるのが目的じゃない

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小学校受験を経験した親子が得られるものとは?(写真:Fast&Slow/PIXTA)

「小学校受験」に対する親の感じ方、考え方はさまざまだ。

その子の個性によっても変わってくるものなのだから、もちろん正解はないだろう。ただ、子どもにとっての最良の道を考える過程において、小学校受験がひとつの選択肢となっても不思議ではない。

結果的に親の精神的な成長につながることも

また、ある意味においては、子どもの小学校入学が、結果的には親の精神的な成長につながるということも考えられる。それは、『小学校受験バイブル ~賢い子育てをするために~』(二宮未央 著、宮田紀子監修)の著者についても言えるようだ。

息子が小学校受験に挑むことになったときに初めて、「小学校受験のメリット、デメリットは?」「母親が働きながら小学校受験はできるのだろうか?」「子どもにストレスはかからないのだろうか?」と、さまざまな疑問と直面したというのである。しかも、そこから多くのものを学ぶことになったようだ。

受験をするなら合格したいという気持ちはもちろんありましたが、もっと先のわが子の将来を見据えたとき、合格することよりも、「息子が将来幸せだと思える人生を過ごすために必要な土台である“人間力”を備えること」が大事だと考えました。(「はじめに」より)

そう考えが及んだとき、著者はかつての恩師のことを思い出す。小学校受験のための教室を運営している人物であり、本書の監修者でもある宮田紀子氏。息子の受験についての覚悟を持てずに悩むなかで宮田氏と再会したことが、著者にとっての大きな契機になったというのである。

「今までの子育てすべてを考え直さなければ、息子さんの将来は大変なことになる」という宮田先生のお言葉で、私は心臓に銃口を突き付けられたようでした。
宮田紀子先生は、「見る」「聴く」「考える」を基本とし、生徒一人ひとりに向き合う方針のもと、少人数制の小学校受験を目的とする幼児教室で50余年にわたり指導されていました。名だたる有名小学校に何百人も合格に導いている、小学校受験の幼児教育に携わるエキスパートなのです。(「はじめに」より)

その結果、「宮田先生の言葉を反映させた『幼少期の子育ての本』をいつか世に出したい」と考えるようになり、本書が誕生したというわけだ。

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